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» 2020年10月22日 07時55分 公開

誤差2センチ:まるで下町ロケット! 自動トラクターが耕すスマート農業 (1/3)

GPSの位置情報をもとに、手放し運転の自動操舵トラクターが白ネギ畑をまっすぐ進む。情報通信やロボット技術を取り入れた「スマート農業」の実演会が開かれた。農業の未来を切り開く手段として国や自治体は普及に本腰を入れるが、その背景には……。

[産経新聞]
産経新聞

 GPS(衛星利用測位システム)の位置情報をもとに、手放し運転の自動操舵トラクターが白ネギ畑をまっすぐ進む−。情報通信やロボット技術を取り入れた「スマート農業」の実演会が鳥取県南部町で開かれた。農業の未来を切り開く手段として国や自治体は普及に本腰を入れるが、その背景には、高齢化と担い手不足に歯止めがかからないという、農業が直面する切実な事情があった。

自動操縦の誤差2センチ

 無人トラクターの開発競争を描いた、TBSの人気ドラマ「下町ロケット」の一場面のようだった。中国地方の最高峰・大山を遠く望む南部町の農地で行われた「スマート農業技術実演会」。鳥取県などが主催し、生産者や農業団体、行政関係者ら約80人が参加して熱い視線を注いだ。

photo 自動操舵システムを搭載したトラクター。手放し運転でもまっすぐ進む=10月、鳥取県南部町

 「自動操舵システム」を搭載したトラクターが披露したのは白ネギの土寄せ作業。地中で育つ葉鞘(ようしょう)と呼ばれる白い部分の成長を促すため、植栽した畝(うね)の横に溝を掘り、植栽部分に土を寄せる。溝をまっすぐに掘る運転技術が求められるが、運転席の天井に位置情報受信機、運転席部にハンドルとモニターをセットで取り付けたトラクターは、GPS衛星からの測位情報をもとに地上で測位補正し、2〜3センチの誤差範囲で自動操縦する。

 トラクターの運転者が途中から手放し運転をしてみせると、作業を見つめる人たちの中から「ほおっ」と感嘆の声が漏れた。農機メーカーの担当者は「丸いハンドルとタイヤのあるトラクターならどんな機種でも対応できる。既存の農機に据え付けられるのが特長」と説明した。

 県によると、無人トラクターは北海道などではすでに導入済みだが、鳥取のような規模の小さい農地での作業には自動操舵システムの方が向いているという。

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