春貴さんは、長男のコンビニ経営を手伝う前は証券会社に勤務していた。営業に回る顧客の元には怪しげな勧誘が寄せられることも多く、気を付けるように助言しても被害を受ける人もいた。春貴さんは「投資の裏表を知るような詳しい人でも、だまされた。詐欺グループは実に巧妙だ」と怖さを感じていた。
だからこそ、電子マネーを販売し、ATM(現金自動預払機)も備えるコンビニも詐欺被害の舞台になりうると知り、その阻止に力を入れてきた。開店4年で5度も詐欺を防いだ。輝かしい功績にも思えるが、春貴さんは「本当は詐欺だったかもと思うお客さんもいて、それを止められず、悔しくて眠れないこともあった」と振り返る。
新たな詐欺の手口については事務所内だけでなく、お客さんにも見える店内にも掲示している。「もっと詐欺の内容を知って、被害を避けてほしいから」と春貴さん。「これからも防げる被害を止めていく」と力強く語った。
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