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» 2020年11月13日 14時34分 公開

新型コロナで航空貨物業界に好機 スペース不足、専用機の大型化も (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

大型機を投入

 関空でコロナ前の昨年12月に1万2299回あった旅客便の発着回数は、今年9月には404回(速報値)まで減少。一方、貨物便は今年4月以降は毎月2千回前後で推移しているものの、旅客便が減った分を補えてはいない。関係者によると、貨物専用機のスペースに対する積載率は90%以上が続いている。

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 このため輸送コストが上昇。今月19日に解禁日を迎えるフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」を、通常の空輸ではなく鉄道での陸路輸送に切り替える業者も出るほどになっている。

 こうした中、貨物専用機の大型化に踏み切った航空会社がある。ドイツ・フランクフルトを拠点とする航空会社、ルフトハンザ・カーゴだ。日本国内4空港で就航し、関空では今月から来月上旬まではフランクフルト便を1便増やして週3便(往復)運航する。ANAホールディングス傘下のANAカーゴと提携し、日本と欧州をつなぐ航空貨物事業で30%以上のシェアを持つ。

 「関西と欧州をつなぐ貨物専用機として一番に選んでもらえるパートナーになる」。ルフトハンザ・カーゴのハッソ・シュミット日本支社長は10月27日、記者会見を開いて、意気込みを語った。

 翌日未明、関空に初めて降り立ったのは同社の新型機B777F。貨物室の天井を高くするなどして、最大積載量は従来機より約20トン多い約100トンに。ドアを広く取り、半導体製造装置など背丈の高い貨物の搭載も可能になった。日欧間の飛行ではこれまでロシアでの給油が必要だったが、大型化で直行できるようになったため、輸送時間の大幅短縮にもつながった。同社は運航する貨物専用機を今後、すべて新型機に切り替えていく方針という。

 コロナで世界中が苦しむ今、なぜ大型機か。塩谷(えんや)和浩・西日本地区統括部長は「(経済活動で)人は動かなくても物は動く」と説明する。競合するJALカーゴサービスを傘下に置く日本航空も、全国的な貨物需要の動向について「諸外国の生産活動再開に伴ってお盆明け以降、自動車関連を中心に荷動きが回復基調にあり、前年水準の需要に近づきつつある。これに伴い夏場にやや下落した運賃も再び上昇に転じている」と分析。この先も順調に需要は伸びそうだ。

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