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» 2020年11月26日 09時10分 公開

コロナ下で史上最高値を更新する「金」の密輸に強まる警戒感 (1/2)

 金塊約120キロを中国から密輸しようとしたとして、大阪府警が10月、関税法違反などの疑いで中国人5人を摘発した。金の密輸は近年、水際対策が強化される一方で、犯行グループの手口も巧妙化。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で経済不安が広がる中、世界情勢の影響を受けにくい「現物資産」として金の価値は高まっており、警察当局や税関は警戒を強めている。(北野裕子)

[産経新聞]
産経新聞

 金塊約120キロを中国から密輸しようとしたとして、大阪府警が10月、関税法違反などの疑いで中国人5人を摘発した。金の密輸は近年、水際対策が強化される一方で、犯行グループの手口も巧妙化。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で経済不安が広がる中、世界情勢の影響を受けにくい「現物資産」として金の価値は高まっており、警察当局や税関は警戒を強めている。(北野裕子)

photo 大阪税関が中国人の男らから押収した金塊の一部(大阪税関提供)

通関士も関与

 昨年6月、関西国際空港で航空貨物の検査に当たっていた税関職員が、中国・上海から送られてきた9箱の段ボール箱に目を留めた。

 税関への申告内容では中身はバッグだが、持ち上げると明らかに重い。不審に思った職員が開封したところ、うち6箱に入っていたのは金塊。木箱に入れられたり、カムフラージュのためか一部は銅板で巻かれたりしていた。

 総重量は計約120キロ、価格は約5億5千万円に相当し、関西空港では平成27年の金塊130キロの密輸に次いで2番目の規模の摘発だった。税金を支払わずに国内に金塊を持ち込み、販売時に消費税分を上乗せして売る「利ざや」を稼ぐことが狙いとみられる。

 大阪府警国際捜査課は10月、関税法違反容疑などで、一連の犯行に関わった貿易会社の役員など中国人ら男5人を逮捕。大阪地検は同月、うち中国人の男3人を同法違反などの罪で起訴した。

 起訴された1人は、貿易取引で税関に輸出入申告を行うなど通関手続きに携わる「通関士」。複雑な業務で専門知識が必要とされる国家資格だが、今回は荷物の送り主からの任務を遂行すべく、この男が税関に嘘の申告をしていた。

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 男らは関西空港に近い大阪府泉佐野市の住宅街にある民家をアジトにしていたとみられる。近くに住む女性は「深夜でもこうこうと電気がついていて、不審に思っていた。静かな住宅街なのに、まさか犯罪グループが出入りしているとは」と話した。

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