ニュース
» 2020年11月30日 09時26分 公開

来年春闘、テレワーク拡大で「ジョブ型」が焦点に

 来年の春闘に向けた方針策定の議論が、経営側と労働組合側でそれぞれ佳境を迎えるなか、欧米で主流の「ジョブ型」という働き方が、大きな論点になっている。もともと経営サイドが導入・拡大を求め、労組が反対する構図だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、業務を明確に指示することが求められるテレワークや在宅勤務が広がり、労組側もジョブ型雇用における業務規定の明確化に言及するなど、情勢が変化している。

[産経新聞]
産経新聞

 来年の春闘に向けた方針策定の議論が、経営側と労働組合側でそれぞれ佳境を迎えるなか、欧米で主流の「ジョブ型」という働き方が、大きな論点になっている。もともと経営サイドが導入・拡大を求め、労組が反対する構図だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、業務を明確に指示することが求められるテレワークや在宅勤務が広がり、労組側もジョブ型雇用における業務規定の明確化に言及するなど、情勢が変化している。

photo

 これまでの日本型雇用システムは、新卒一括採用、終身雇用、年功序列などを基本とした「メンバーシップ型」だ。これに対し、特定の職務(ジョブ)や役割を遂行できる能力や資格のある人材を社内外から充てるのがジョブ型雇用だ。

 ただ、求められる業務が終われば会社から去ることも求められる欧米式のジョブ型雇用をそのまま取り入れることには、労組だけでなく経営側にも抵抗がある。日本式のジョブ型雇用や、メンバーシップ型とジョブ型のハイブリッド(複合)方式の雇用が模索されている。

 経団連で春闘方針を検討する「経営労働政策特別委員会(経労委)」の会合では、経営者からジョブ型雇用は「自分のスキルに合わせて多様な働き方を選択できる」と、働く人のメリットについても評価された。一方、「欧米のように、業務とスキルを評価する機関がない」「働く人の自律的な能力開発や再教育システムがない」といった課題を挙げる声も出た。

 従来、雇用維持を重要視する労組側に、ジョブ型雇用導入への抵抗は大きかった。しかし、新型コロナにより、これまで進まなかった在宅勤務やテレワークが一気に普及して状況が変わった。仕事への評価が、勤務時間から成果へと軸足を移らせつつあるためだ。成果については、上司が業務をきめ細かく規定したうえで評価する必要がある。そうした雇用制度を進めると、業務規定を明確にしたジョブ型雇用に行き着く。

 ジョブ型雇用が増加するとの見方に、労働組合の中央組織である連合の神津里季生会長は、「言葉だけが踊っている」と指摘。人を育てるという雇用スタイルが日本における雇用の「強み」だと警戒を強める。業務が終われば雇用契約もなくなる欧米式のジョブ型雇用には同意できないとの姿勢だ。ただ、ジョブ型雇用にも、「業務を規定することが重要」だと、一定の理解を示している。

(平尾 孝)

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間

    Digital Business Days

    - PR -