NTTドコモが3日に発表した、データ通信量20ギガバイトを2980円で提供する新料金プランについて、携帯事業者に値下げを求めてきた武田良太総務相は4日の記者会見で「6割強の値下げで、平成18年からは7割を超える値下げに踏み切った」としたうえで、「公正な市場競争に導く大きなきっかけになる」と評価した。
首相官邸に入る武田良太総務相(中央)=4日午前、首相官邸(佐藤徳昭撮影)
また、「サブブランドでなくメインブランドでの大容量で低廉な料金プランは同業他社も注視している」と、傘下のサブブランドを使った新プランでの値下げを発表したKDDI(au)やソフトバンクを牽制(けんせい)し、「それぞれの経営判断に基づき適切に運営していただきたい」と注文を付けた。
ドコモが大幅な値下げをしたことで、格安スマートフォンを手がける仮想移動体通信事業者(MVNO)の経営を圧迫しかねないとの指摘もあるが、「MVNOもそれなりの経営努力が必要だ」との考えを示した。
関連記事
ドコモ、20Gで2980円の新プラン「アハモ」 ネットでのみ受付
NTTドコモは12月3日、月間データ容量20Gバイトで価格を月額2980円(税抜)に抑えた新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。2021年3月から提供する。
首相、ドコモの料金値下げを歓迎「他の2社も一歩踏み出して」
菅義偉首相は2日夜、都内で自民党議員と懇談し、NTTドコモが主力ブランドで携帯電話料金の値下げをする方針を固めたことについて「大きな第一歩を踏み出してくれたことは非常にありがたい。(大手3社のうち)他の2社も同じように国民向けに第一歩を踏み出していただければ」と語った。同党の牧原秀樹衆院議員らが記者団に明かした。
携帯値下げ、元は楽天対抗プラン 本格競争は楽天通信網整う来夏?
菅義偉(すが・よしひで)政権が最優先課題とした携帯電話料金の値下げ−。KDDI(au)とソフトバンクが早々に格安ブランドで新プランを導入して対応すると表明し、政府もとりあえずは矛を収めた。だが、両社が打ち出したのは、今春の導入を検討したが、出す必要がなくなった「楽天対抗プラン」にすぎない。一気に盛り上がりをみせた割には、主力ブランドの値下げにまでは踏み込まず、本格的な料金競争は先送りになった。
携帯料金「むしろ高いほうに誘導」 武田総務相が痛烈批判
武田良太総務相は27日の閣議後会見で、携帯電話料金の値下げをめぐり「料金が高い主力ブランドへの囲い込み策が存在している」と指摘し、「むしろ安い方から高い方に誘導している感じがある」と携帯大手を痛烈に批判した。
携帯料金4割下がるのか “国民の声”でアピールも、デメリットの議論必要
携帯電話料金について、武田良太総務相が8日に利用者と意見交換会を開いたのは、料金値下げが政府の独断ではなく、国民の総意であることをアピールするねらいがある。携帯大手各社も値下げに応じる意向だが、菅義偉(すがよしひで)首相がイメージする「4割値下げ」へのハードルは高い。政策的な手段が限られる中、十分な値下げが実現できるかは不透明で、世論の声を盾に事業者への圧力を強める。
関連リンク
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.