ソフトバンクが来年3月にもデータ容量20ギガバイトで月額2980円(税別)の新プランの導入を検討していることが21日、分かった。傘下の仮想移動体通信事業者(MVNO)のLINEモバイル(東京・新宿)を吸収合併して、サービスを開始。実店舗を持たず、店舗オンライン手続きに特化して、コストを抑える。
携帯大手3社の看板
22日に詳細を発表する。NTTドコモが打ち出した最安値水準の新プラン「アハモ」と横並びの料金プランで対抗する。
新プランはソフトバンクの通信回線を使った本体ブランドのプランとして提供する。料金には1回につき5分までの無料通話も含まれる。
ソフトバンクは政府の値下げ要請を受け、10月末に格安ブランド「ワイモバイル」で20ギガで月4480円の新プランを発表した。しかし、サブブランドでの値下げに武田良太総務相が難色を示していた。今後はソフトバンクの大容量プランやワイモバイルの値下げも検討する。
12月に入り、ドコモが本体ブランドで20ギガ月2980円という破格の料金のアハモの導入を発表し、続けて先週には大容量プランの値下げも発表。携帯大手の競争環境が大きく変わり、対抗策が迫られていた。
今後はKDDIの対応が焦点となる。ソフトバンク同様、格安ブランドで20ギガ3980円の新プランの導入を予定したが、来年1月にアハモ対抗策や大容量プランの値下げを発表する方針を表明している。
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