日本フードサービス協会が25日発表した令和2年の外食売上高は前年比15.1%減となり、比較可能な平成6年以降で過去最大の落ち込みとなった。前年を割り込んだのは26年以来、6年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的に時短営業や休業が増えたほか、消費者の外出自粛なども重なり、売り上げが大幅に落ち込んだ。
写真はイメージ(写真提供:ゲッティイメージズ)
同協会は「新型コロナの感染を避ける消費行動に加え、テレワークの増加など働き方も変化。繁華街立地の店舗や店内飲食などが敬遠され、郊外立地店舗や持ち帰り、少人数での利用に形態がシフトした」と、事業環境の変化が売り上げ減の要因と分析している。
業態別ではファストフードは3.7%減。ハンバーガーチェーンなどが持ち帰りや宅配需要に支えられて前年を上回るなど好調だったほか、牛丼チェーンや回転寿司なども小幅な減少にとどまった。一方、ファミリーレストランは22.4%減、パブ・居酒屋は49.5%減、ディナーレストランは35.7%減、喫茶は31.0%減と店内飲食が中心の業態では軒並み、大幅ダウンとなった。
項目別では客数が17.8%減の一方、客単価は3.3%増と前年を上回った。外食利用機会は減ったものの、持ち帰りでまとめ買いする動きもみられ、客単価は多くの業態で増加傾向だった。店舗数は年後半に向けて減少幅が拡大。特に夜の需要に支えられていたパブ・居酒屋は7.3%減と減少幅が大きかった。
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