新型コロナウイルス禍で外食チェーンの苦境が続く中、日本マクドナルドホールディングス(HD)の業績が好調だ。9日発表の令和2年12月期連結決算では、コロナ下にもかかわらず9年ぶりとなる営業利益の過去最高更新を達成した。背景にはハンバーガーという、持ち帰りや宅配がしやすい商品特性だけでなく、サラ・カサノバHD社長が推し進めてきた「ファミリー重視」の路線が奏功したという側面がある。
令和2年の月別の既存店売上高は3、6月を除く10カ月は前年同月比プラスを確保する好調さだった。9日の決算会見でカサノバ氏は、「(昨年は)過去50年に築いたお客さまとの絆やブランド価値、マクドナルドに対する社会からの期待を改めて認識した年だった。これまで取り組んできたさまざまな施策が奏功した」と振り返った。コロナ禍で高まった巣ごもり需要や店での非接触対応を求める客のニーズをとらえたのは、デリバリーやドライブスルー、スマートフォンで来店前に注文し決済が完了する「モバイルオーダー」で、いずれも平成30年からの中期経営計画で強化を打ち出した施策が下支えとなった形だ。
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