一方、多くの利用者が許可しなければFBなどの業者には逆風だ。実際、ある世論調査では「許可する」が2割にとどまり、「許可しない」は6割に迫った。業界関係者から「FBは多額の収益減を余儀なくされる」との見方も出ている。
アップルはFBによる個人情報の大規模流出が2018年に発覚して以降、プライバシー保護をめぐって同社批判を強めてきた。ともにシリコンバレーを代表する巨大ITのトップが公然と非難合戦を繰り広げ、波紋が広がっている。
FBは1日、データ収集に向けた利用者の理解を得ようと、アプリ画面に独自の説明を表示する方針を明らかにし、アップルに対抗する構えだ。また、米ネットメディア「ジ・インフォメーション」によると、FBは反トラスト法(独占禁止法)違反でアップルを提訴する準備を進めている。
一方、欧州連合(EU)欧州委員会のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は8日、ロイター通信のインタビューで、アップルが差別的にFBのアプリを不利に扱えば「競争上の問題となり得る」と述べてアップルに警告。同社の個人情報の扱いに関する仕様変更が、すべてのアプリ開発者に公平になるよう、くぎを刺した。(ワシントン 塩原永久)
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