エンターテインメントの新境地を拡張現実(AR)が作り出していた。
多くの世代が夢中になって遊んだゲームの中のマリオが、ここでは自分のすぐ隣にいるとありありと感じられる。ARの技術を搭載したゴーグル越しに、マリオらが声をあげながらリアルに駆け抜けていくのだ。
現実世界は決して愉快なことばかりではない。だが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)のゲートをくぐり新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のアトラクションに乗り込めば、一瞬で懐かしい記憶に目覚め、無邪気な笑顔にさせてくれる。この娯楽性は任天堂が追求するゲームの本質そのものだ。
新エリアは過去最高の約600億円を投じ6年余をかけて建設。マリオの生みの親、任天堂の宮本茂代表取締役フェローが完全監修し、新型コロナウイルスによる2度の延期を経て今月18日、開業にこぎ着けた。
宮本氏は「任天堂とユニバーサル・スタジオ(US)で作るなら世界初のことをやりたかった。最新技術と両者の経験をすべてぶち込んだインタラクティブ(相互作用的)なアトラクション。あらゆる世代が五感を使ってマリオの世界を体験できる」と自負する。
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