この数年、日本の造船業界は中国や韓国に受注を奪われ、造船会社が整理統合を迫られるなど苦しい状態が続いている。10年ほど前までは日本の造船会社が得意としていたLNG船も、大半が中国と韓国で建造されていて、日本の出番が少なくなっている。このため、日本の造船会社は生き残りをかけている。
船の排出ガスの環境規制が強まる中で、これまでの重油を燃料とした船に代わって、日本独自の技術を生かせるLNG、LPG(液化石油ガス)を燃料にしたガス燃料で走る環境対策船を建造して 、存在感を発揮しようとしている。20年度の同社全体の売り上げ見通しは約1兆5000億円。このうち船舶海洋ディビジョンは約800億円程度で比率は5〜6%しかない。河野常務は話す。
「当社では現在、中国にある合弁会社で多くの船舶を建造し、香川県にある坂出工場は環境技術のブラッシュアップをするマザー工場と位置付けています。今後、船舶部門では売上規模を追い求めるのではなく、他社がまねできない技術力で勝負していきたいと考えています」
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