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» 2021年07月29日 06時00分 公開

売り切れ続出の「ファミマソックス」はなぜ誕生したのか 目指したのは“雨でぬれた時に買う”商品からの脱却日本人の生活様式を変えたい(1/4 ページ)

今、若者の間で「ファミマの靴下」が売れている。ファミリーマートが展開する「コンビニエンスウェア」の一つ、「ラインソックス」だ。なぜファミマは衣料品の展開に力を入れたのだろうか。

[上間貴大,ITmedia]

 今、SNSを中心に“ファミマの靴下”が話題となっている。ファミリーマートが販売する「ラインソックス」(429円)だ。白地の靴下に、同社のイメージカラーである青と緑のラインをあしらっている。

 SNSでは「#ファミマソックス」や「#ファミマの靴下」といったタグが付けられ、購入報告やコーディネートの写真が相次いで掲載されている。また、俳優の木村拓哉氏がラインソックスを着用した写真を掲載したことも話題に火を付けた。

ファミマの靴下 SNSで人気の「ラインソックス」(ファミリーマート公式Webサイトより)

 そんな話を聞いて「コンビニの衣料品なんて、緊急時以外買ったことがないよ」と思った人も多いだろう。実はその通りで、ファミリーマート商品本部の吉村直途氏は、「コンビニの日用品は緊急ニーズ対応に特化する特徴があった」と振り返る。

 例えば、コンビニで見かける小さいサイズのシャンプーや歯ブラシセットなどは、“その場しのぎ用”として売れていた。急な出張や外泊時、旅先などで購入した人も多いはず。靴下や下着などのインナーも同様だ。吉村氏いわく、インナーは金曜や土曜の深夜に売り上げが伸び、靴下に至っては「雨が降った日の午前中」によく売れていたという。購買層はコンビニ利用者の年齢構成比に近い40〜50代の男性が中心だった。

 そんな緊急需要からの脱却を図るため、同社では2021年3月からラインソックスを始めたとした衣料品を「コンビニエンスウェア」としてブランド化し、全国で展開している。「じぶんを愛そう。いい素材、いい技術、いいデザイン。」をコンセプトに、日常使いに最適なシルエットや素材を採用した商品として訴求している。

ファミマの靴下 コンビニエンスウェア(ファミリーマート公式Webサイトより)

 吉村氏は、「緊急需要に応えることは大事な取り組み」とした上で、事業を拡大させるにはそこからの脱却が求められていると話す。

 「緊急ニーズのみに対応し続けていると、何をしても売り上げはほぼ変わらない。そうなると“安く安く”となるのが経営判断だろう。しかしそれでは出張者や飲み会に参加する人の数が変わらない限り、成長は見込めないと思っていた」(吉村氏)

 同社によるとインナーの市場規模は約1.5兆円。生活必需品であるインナーは、アウターやボトムスとは異なり、急激に人口が減るといった要因がない限り需要が落ちにくい市場だ。そこで同社は、緊急需要ありきだった“受け身の商品開発”から方針転換し、インナー市場に切り込んでいく判断をしたという。

 「インナー市場はポテンシャルがある。その市場に対して1万6500店舗のインフラを持ってしても、一定数の非常に少ないシェアしか取れていない。市場のポテンシャルと自分たちの現状との乖離をみたときに、もっと挑戦していくべきではと感じていた」(吉村氏)

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