ニュース
» 2021年08月03日 08時45分 公開

意味不明で理不尽、オリンピック放送の厳しいルール

 恥ずかしながらオリンピックというとあまり良い思い出はありませんね。怒られた記憶しかありません。私は報道・情報系の番組経験が長いので、ほぼスポーツになんの興味も知識もないんですが、それでも何回もオリンピックの報道には携わりました。いつも東京でお手伝いをするくらいで、現地で取材したのは1998年の長野冬季オリンピックくらいですけど。

[ZAKZAK]
ZAKZAK

 恥ずかしながらオリンピックというとあまり良い思い出はありませんね。怒られた記憶しかありません。私は報道・情報系の番組経験が長いので、ほぼスポーツになんの興味も知識もないんですが、それでも何回もオリンピックの報道には携わりました。いつも東京でお手伝いをするくらいで、現地で取材したのは1998年の長野冬季オリンピックくらいですけど。

photo

 長野のときは、よく覚えてないですけどスキー場みたいなところで取材していたら突然カメラが壊れました。謎のエラーメッセージが出て、業務用のでっかいカメラがビクともしなくなったんです。半泣きで近くにあるローカル局の松本支局まで行き、平謝りしながら代わりのカメラを借りてなんとか放送に間に合わせました。あまりに寒いとカメラって壊れるんですね…まあ機械ですもんね。

 怒られた記憶の原因のほとんどは、オリンピックの競技映像の「謎のルール」です。なぜだかオリンピックって「あれはしちゃダメ」とか「こうしなきゃダメ」とか、めちゃめちゃ厳しいルールが映像にも言葉の使い方にも決められていて、がんじがらめなんですよね。あのルール、ちょっと意味不明で理不尽だと思います。今度詳しくどこかでご紹介しますね。

 担当するニュース番組で「オリンピックを盛り上げるために、どんどん放送しろ」「うちで放送する競技は特にたくさん放送して宣伝しろ」と言われて、仕方がないから放送すると「映像の使い方が間違ってる」とか「言葉の使い方があれではダメだ」と、スポーツ局の人間に怒られます。

 一番理不尽さを感じたのは、ABEMAのときです。ABEMAで月〜金曜の夜、2時間放送するニュース番組のプロデューサーをしていた時期にちょうどリオ五輪に当たったんですが、1秒も競技映像を使うことができなかったんですよね。

 なんでなの? と心の底から驚きましたが、変なルールのせいでインターネット番組では競技映像を使う権利が一切なかったんです。

 ニュース番組をやっている以上、オリンピックの時期にオリンピックのニュースをまったくやらないわけにはいきません。でも競技映像が1秒も使えない。仕方がないから現地にいるスポーツキャスターの宮嶋泰子先輩にスマホ中継で、競技場の外から10分も15分もひたすらしゃべり続けてもらいましたよ。

 あと現地在住の日本人とスマホ中継です、やれやれ。いろいろオリンピックのあり方が今回問われてますが、あの変な放送のルールも見直してほしいですね。

鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。


copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間

    Digital Business Days

    - PR -