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» 2021年09月02日 09時16分 公開

首相肝いりのデジタル庁、スピード発足も成果は未知数

菅義偉(すが・よしひで)首相が昨年9月の就任時に看板政策として掲げたデジタル庁が1日、約600人規模で発足した。ただ、約3分の1は民間登用で、公平性や透明性確保などの課題も残す。自民党総裁選や衆院選を控え、首相側は政権の成果として強調する構えだが、行政の効率化やサービス向上がどこまで達成できるかは未知数だ。自民内で政局が混乱している時期と発足が重なる不運にも見舞われた。

[産経新聞]
産経新聞

 菅義偉(すが・よしひで)首相が昨年9月の就任時に看板政策として掲げたデジタル庁が1日、約600人規模で発足した。ただ、約3分の1は民間登用で、公平性や透明性確保などの課題も残す。自民党総裁選や衆院選を控え、首相側は政権の成果として強調する構えだが、行政の効率化やサービス向上がどこまで達成できるかは未知数だ。自民内で政局が混乱している時期と発足が重なる不運にも見舞われた。

photo デジタル庁発足式で訓示する菅義偉首相。左モニターは平井卓也デジタル相=1日午後、首相官邸(春名中撮影)

 「わが国全体をつくり替えるくらいのつもりで知恵を絞っていただきたい」

 首相は1日、デジタル庁発足式でこう述べ、新組織の発足に期待を寄せた。

 首相は迅速に組織を立ち上げることを目指し、就任から1年で発足にこぎつけた。新省庁を立ち上げる際は水面下で権限をめぐる省庁間の駆け引きが行われ、数年かかることも珍しくない。平成27年に約120人規模で発足したスポーツ庁は発足に1年半かかった。23年の東日本大震災を受けて急ピッチで設置した復興庁でさえ11カ月を要した。

 ただ、発足前には入札をめぐる公平性の問題も露見した。デジタル庁の母体となる内閣官房IT総合戦略室が担った東京五輪・パラリンピック向けの健康管理アプリ開発をめぐり、平井卓也デジタル相らと受注企業側との間に不適切な関係があったことが判明。幹部ら6人が処分された。

 政府が公表した調査報告書では、一連の経緯で法令違反はなかったとしつつ、「国民の不信を招く恐れもある」と指摘した。職員の3分の1という異例の規模の民間登用は、セキュリティーや公平性の問題が内在することも浮き彫りにした。

 組織を素早く立ち上げたのは、官房長官時代から官僚機構ににらみを利かせてきた首相ならではの成果といえる。一方でマイナンバーカードと運転免許証の一体化は3年半後、自治体とのシステム標準化は5年半後など山積する課題の解決には数年を要する。政権への評価に与える影響は限られそうだ。(市岡豊大)

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