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» 2021年10月18日 17時35分 公開

「コロナ補助金で病院黒字化」実態 患者1人当たり5900万円の例も財務省の思惑(1/2 ページ)

新型コロナウイルス患者を受け入れた医療機関の2020年度の平均収支が、約6億6000万円の黒字だったことが明らかに。コロナ患者の診療や病床確保に協力を求めるため支給した補助金が黒字化に寄与した形だ。

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 新型コロナウイルス患者を受け入れた医療機関の2020年度の平均収支が、約6億6000万円の黒字だったことが財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会に提出された資料で明らかになった。コロナ患者の診療や病床確保に協力を求めるため支給した補助金が黒字化に寄与した形だ。補助金をもらいながら患者を十分に受け入れなかった病院もある実態が浮かぶ半面、「財務省の思惑」を指摘する識者もいる。

 緊急支援事業補助金が支給された医療機関のうち、回答を得た1290の医療機関の平均収支は補助金を除くと3億5000万円の赤字だったが、10億1000万円の補助金により6億6000万円の黒字となった。

photo コロナ患者を受け入れた多くの病院は懸命の治療に当たった(写真と本文は関係ありません)

 患者を受け入れた94の国立病院の利益率は19年度比で6.7%改善。旧社会保険庁系の医療機関を束ねる地域医療機能推進機構(JCHO)も4.5%改善した。

 国はこれまで補正予算や予備費により、新型コロナ患者の診療報酬や病床確保料の引き上げなどを実施してきた。

 ただ、収支改善率が1〜3位の国立病院はそれぞれ150〜165床を確保したが、受け入れ患者数は101人、49人、151人にとどまった。患者1人当たりの補助金が平均額(944万円)の6倍近い5916万円という病院もあった。

 総合内科専門医で中央大大学院の真野俊樹教授(医療経営学)は「診療報酬は経費の対価として事後に支払われるが、事前に不足分を支払うと約束しておき、特例融資でつなぐなどして、事後に払うこともできたはずで、引き上げの決定はやや粗雑にみえる」と指摘する。

 回答が得られなかった医療機関も425あったといい、「全て回収するのが当然で、使途に不正があれば、返還を求めるべきだ」と真野氏。

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