「あなたは保険に入る必要はありません」 マネフォとライフネットが始めた保険診断が面白い金融ディスラプション(1/5 ページ)

» 2021年10月22日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 「あなたは保険に入る必要はありません」。保険の診断を受けると、けっこうな数の人にこんなメッセージが出る保険相談サービスがある。マネーフォワードがライフネット生命などと始めた「保険の見直し診断」だ。

マネーフォワードMEの家計簿データに基づいて「保険の見直し診断」をやってみたところ。死亡保険も医療保険も就業不能保険も「不要」と出て驚いた

 個人向け家計簿サービス「マネーフォワードME」の中の、「固定費の見直し」コーナー内で7月からサービスを開始した。家計簿に登録されている情報を元にして、追加で必要な項目だけを入力してもらえば診断を行うのが特徴だ。面倒な情報入力をほとんどせずに、ユーザーごとのライフプランを計算して必要な保険を提案してくれる。

 「ミッションは個人のお金の悩みを解決していくこと。それには、家計と資産形成にフォーカスしなくてはならない。家計の改善に手っ取り早いのは固定費。そこで最初は電気代からスタートし、そのほかの固定費に広げていこうとした。この1年悩んでいたときに、ライフネット生命さんが掲げている『必要な分だけ保険に入りましょう』というコンセプトが合致した」と、担当した事業開発部の志賀俊一部長は話す。

 マネーフォワードが保険の代理店となり、顧客の状況を診断して、ライフネット生命などの保険を販売する仕組みだ。保険の見直しサービスは、保険販売では定番の手法であり、ファイナンシャルプランナーや来店型保険ショップをはじめ、多くの代理店が行っている。しかし、最終的には別の保険を勧めて乗り換えてもらうのが主目的であり、「全く不要です」と説明することはまれだ。

 「ビジネスとしては(保険を)売ったほうがいいが、われわれの定義で不必要だと思う人にまで、保険に入ってほしくない」(志賀氏)

人生で起こり得るリスクについては保険以外の対処法がある。頻度は低いが大きな損失を被るものについては保険で、それ以外は貯金や社会保障で対応すべきだという考え方だ
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