ニュース
» 2021年10月26日 08時49分 公開

ドコモ「携帯依存」脱却、NTT再編、6G主導で復権狙う

NTTドコモがNTTコミュニケーションズ(コム)とNTTコムウェアの子会社化を25日、発表した。NTTが3社を統合してグループの再編を急ぐのは、通信技術の役割が大きく変わってきたためだ。電話や電子メールなど通信ができればよかった時代は終わり、通信を使って「何ができるか」というサービス競争の段階に移った。次々と新しいサービスが生まれるIT業界では他業種との柔軟な協業が欠かせず、法人部門に弱みを抱えたままでは生き残れないという危機感の表れといえる。(高木克聡)

[産経新聞]
産経新聞

 NTTドコモがNTTコミュニケーションズ(コム)とNTTコムウェアの子会社化を25日、発表した。NTTが3社を統合してグループの再編を急ぐのは、通信技術の役割が大きく変わってきたためだ。電話や電子メールなど通信ができればよかった時代は終わり、通信を使って「何ができるか」というサービス競争の段階に移った。次々と新しいサービスが生まれるIT業界では他業種との柔軟な協業が欠かせず、法人部門に弱みを抱えたままでは生き残れないという危機感の表れといえる。(高木克聡)

photo オンラインで記者会見に参加するNTTの澤田純社長(画面左)ら=25日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)

 「他社と競争するには、ドコモとコムの統合が必然だ」。持ち株会社であるNTTの澤田純社長はオンラインで記者会見に参加し、再編の意義をこう強調した。

 ドコモが担ってきた移動通信はスマートフォンだけでなくあらゆる機器で使われ、今や社会インフラとしての重要性は高まる一方だが、消費者向けの携帯電話の契約数は頭打ちだ。

 競合他社が金融やデータ活用などの法人事業を強化する中で、消費者向けの携帯電話事業が中心だったドコモは収益で後れをとる。携帯契約者数ではトップを走るものの、令和3年4〜6月期連結決算は売上高、営業利益ともにKDDI、ソフトバンクに次ぐ3位に甘んじている。

 KDDIが事業分類を見直し、通信事業を生活関連領域などと合算した「個人向け」に一本化するなど、先行するライバルは通信事業に固執しない構造改革を進めている。

 収益拡大に向け、ドコモが成長領域に定めるのが法人向け事業だ。大企業向けの営業に定評のあるコムに新生ドコモグループの法人事業を集約。顧客企業との連携で新サービスを生み出し、弱点を克服する。

 ドコモの井伊基之社長は記者会見で「大企業から中小企業までサービスを一体で提供し、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献したい」と表明。企業向けに携帯電話の回線契約やクラウド、データセンターのサービスなどを提供する体制を整える。

 ただ、法人向けサービスは東日本や西日本、データなどグループの各社が食い合う分野でもある。澤田氏は「各社がぶつかるほど市場を拡大させてくれればありがたい。開拓する市場は大きい」と述べたが、統合の効果がもくろみ通りに行くか注目される。

 グループ再編は第5世代(5G)移動通信システム以降の高速通信での復権も視野に入れる。6Gでは海中や宇宙空間など、あらゆるところで高速通信が可能になるといわれる。NTTグループが掲げる次世代の光通信網や6Gの実用化をドコモが主導し、世界をリードしたい考えだ。

 NTTは昨年12月、ドコモの再編を発表し、コムとコムウェアを今年夏ごろまでに子会社化するとしていた。しかし、NTTグループから回線網を借りているKDDIやソフトバンクなどがドコモが優遇されると反発し、再編は遅れた。総務省の有識者会議は現行法令上は明確な制約がないとしたが、NTTという巨大グループの統合には競争の公平性の観点から懸念の声も根強い。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間

    Digital Business Days

    - PR -