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» 2021年12月14日 09時16分 公開

政府の「接種証明アプリ」は普及するのか マイナンバーカード所持が前提 自治体独自のアプリには成功例も

 デジタル庁は20日、新型コロナウイルスワクチンの接種証明アプリを公開する。書面で交付されている接種証明をスマートフォンでできるようにして利便性を高める狙いだが、申請にはマイナンバーカードが必要になるなど「利用へのハードルが高い」という指摘もある。普及するのか。

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 デジタル庁は20日、新型コロナウイルスワクチンの接種証明アプリを公開する。書面で交付されている接種証明をスマートフォンでできるようにして利便性を高める狙いだが、申請にはマイナンバーカードが必要になるなど「利用へのハードルが高い」という指摘もある。普及するのか。

photo 牧島かれんデジタル担当相

 電子証明書はスマホ上で専用アプリから申請や表示が可能で、接種日、ワクチンメーカーなどを表示する。QRコードを表示し、専用機器で接種情報を読み取ってもらうことも可能だ。

 緊急事態宣言時の「ワクチン・検査パッケージ」などでの利用を想定しており、飲食店やイベント会場での提示が主な使い道になりそうだ。

 ただ、電子証明書の申請には本人確認のため、スマホにマイナンバーカードをかざし、暗証番号を入力する必要がある。カードを持っていない人は申請から始める必要があるが、取得までには約1カ月かかる。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「2回のワクチン接種を完了した国民は全体の8割弱にあたり、マイナンバーカードを所持しているのは約4割なので、政府のアプリを利用できる人はかなり限られる」と指摘する。

photo TOKYOワクションの画面(一部画像を処理しています)

 東京都が11月に独自に開発した「TOKYOワクションアプリ」は、LINEを経由して本人確認書類と接種証明書を登録することで利用できる。都内の飲食店や商業施設などで活用できる特典のほか、商品券などの抽選にも応募できる。

 8日現在の利用者は計約32万人で、ワクチンの2回接種を終えた都民の3%にとどまる。都の担当者は「ワクチン接種をためらう若者への後押しが大きな目的で、政府のアプリが発表されてもワクションアプリの運用は続けていく」と語る。

 群馬県が10月に発表した独自の電子接種証明「ぐんまワクチン手帳」は、8日朝までの登録者が県内の2回接種者の約18%にあたる約28万人にのぼる。「LINEを経由したシンプルな登録は東京都と同じだが、県独自の観光支援事業で割引を受ける条件に接種証明を盛り込んだことが成功の要因ではないか」と前出の三上氏。

 厚生労働省が開発した接触確認アプリ「COCOA」は不具合が多く、ほとんど活用されなかった。ワクチン証明アプリは発足したばかりのデジタル庁の真価が問われるプロジェクトだが、重要なのはアプリが幅広く使われることだ。

 今後の運用について、三上氏は「政府のアプリもマイナンバーカードを条件とせず間口を広げる必要があるのではないか」と提言した。

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