家電量販店などが低価格のプライベートブランド(PB)で販売する家電の受託製造に、パナソニックホールディングス(HD)が参入する。家電は海外勢との激しい価格競争の末に、国内勢は高級志向の自社ブランドに力を入れ、中国メーカーによる供給が中心のPB家電とすみわけてきた。パナソニックHDは中国勢に「逆襲」をしかける方針に転換し、拡大を続けるPB家電市場に風穴を開けたい考えだ。
パナソニックHD子会社で、家電事業などを担うパナソニックの品田正弘社長は6月の戦略説明会で、国内の白物家電市場での競争戦略の一つとして「流通プライベートブランドへの商品提供の打ち合わせをしている」と明らかにした。同社は参入の時期や品目を公表していない。
日本の家電メーカーは高価格帯のラインアップ強化を成長戦略として掲げてきたが、最大手の一角が普及価格帯で中国メーカーと勝負する姿勢を示したことになる。
ハイアールやハイセンスなどの中国メーカーは、日本市場で自社ブランドの販売だけでなく、PB家電の受託製造で台頭してきた。業界関係者は「洗濯機や冷蔵庫などの白物家電(の製造)は中国メーカーが多くを占める」と話す。
大手家電量販店のビックカメラは令和元年6月からPB家電に本格的に参入した。「オリジナルベーシック」などのブランドでさまざまな家電を展開しており、1人暮らし向けに冷蔵庫や洗濯機、掃除機などのセットを6万円程度の価格帯から提供している。
担当者は「シンプルな使い勝手と安価な価格の両立が、(顧客から)支持をいただいている要因ではないか」と話す。
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