8月中旬、厳しい日差しが照り付ける中、大阪・ミナミの道頓堀は訪日外国人観光客(インバウンド)であふれかえっていた。2度目の道頓堀という浴衣姿の中国人女性、黄氷清(26)は「街並みが楽しく、食べ物がおいしい。買い物もできる」と、写真撮影を楽しんでいた。
昨年度、大阪観光局が関西国際空港でインバウンドを対象に実施した調査で、大阪の訪問先として大阪城(53%)やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(41%)を差しおき、道頓堀が72%とトップになった。
「観光で一番大事なのはリピーターやからね」
道頓堀商店会事務局長の谷内光拾はこう強調する。ごみが一定量たまると自動で圧縮し、蓄積量を遠隔で把握できるスマートごみ箱や防災・防犯情報を外国語で呼びかけるスピーカーを設置するなど、1日4万〜5万人が行き交う街でインバウンドに安心して楽しんでもらうことを目指してきた。
現在、関空の国際線利用者の主力はインバウンドだ。平成6年の開港時は、国際線利用者の約75%は日本人だったが、令和5年度は外国人が約8割と逆転。急速に経済成長を遂げるアジアの旅客需要を取り込んできた。
「グリコの看板」をはじめ大阪カルチャーを象徴するランドマークなどインバウンドを惹(ひ)き付ける魅力にあふれ、関空と鉄道で直結するミナミ。世界とつながる大阪都心の玄関口になった。
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