開業から60年の節目を迎えた東海道新幹線。向こう10年は陸上輸送の最先端を走るが、70年の古希を迎える頃には、品川―名古屋を最速40分で結ぶリニア中央新幹線の開業が近づく。東海道新幹線は高速輸送の一部をリニアに禅譲する一方、静岡など途中駅への発着回数を増やしローカル色を強める。また、国ではリニア駅を中心に新たな経済圏を築く構想を描いており、東海道新幹線はリニアとともに経済圏を囲む役割も担うことになる。
「おそらく10年の間にさまざまな環境変化がある。対応して、新しい移動のニーズに応えていきたい」
1日早朝、JR東京駅で開かれた式典後の取材で、10年後の東海道新幹線の姿について聴かれると、丹羽俊介社長はこう答えた。
念頭にあるのがリニアだ。開業は現在、令和16(2034)年以降に予定されている。JR東海では開業後は現在1時間あたり片道最大12本運行している「のぞみ」の本数を減らす一方、停車駅の多い「ひかり」「こだま」の運行を増やす。
国土交通省は昨年10月、静岡県内駅への新幹線の停車回数が現在の1.5倍に増えた場合、観光消費などで10年間で約1700億円の経済効果があると試算した。リニア開業により、通過されがちだった東海道新幹線沿線地域への恩恵が期待されている。
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