新リース会計基準 Excel管理が難しいこれだけの理由 担当者が検討すべき“ソリューション+α”の中身とは?経理担当者の業務負担を抑えるには

PR/ITmedia
» 2025年01月28日 10時00分 公開
PR

 日本の会計基準を開発する企業会計基準委員会(ASBJ)は2024年9月13日、議論を続けてきた「リースに関する会計基準」(以下、新リース会計基準)を公表した。新リース会計基準は原則、全てのリース契約について、その資産と負債の貸借対照表(BS)への計上を求めている。適用対象は、会社法上の大会社に該当する(貸借対照表において資本金が5億円以上または負債の合計が200億円以上)株式会社と上場企業だ。2027年4月に始まる会計年度から強制適用となる。

 リースは幾つかの種類に分類される。国内においてBSへの計上が必要とされていたのは、中途解約ができずにリース料総額が300万円を超えるファイナンスリースに限られていた。

photo プロシップ 巽俊介氏

 「新リース会計基準の適用により、自動車などのオペレーティングリースやテナントなどの賃貸契約といった、金銭によって使用権を得ている全ての取引(リース契約やレンタル契約、不動産賃貸契約)でオンバランス化が求められます。企業の会計業務への多大な影響が確実視されています」と解説するのはプロシップの巽俊介氏(取締役 システム営業本部 副本部長)だ。

 新リース会計基準の対応に必要な作業は、社内のリース契約の洗い出しや影響額の試算、リース期間の合理的な見積もり、継続管理のための仕組みの整備、そのための業務の見直しなど多岐にわたる。中でも巽氏が厄介な論点の一つに挙げるのが「リース契約の管理をどう仕組み化するか」だ。

photo 新リース会計基準のポイント(提供:プロシップ)

Excelを使ったリース管理が難しいこれだけの理由

 巽氏によると、現在のリース会計基準ではオンバランス化しているファイナンスリースは数十件という企業も多い。これは2008年4月に適用された現行のリース会計基準の見直しを機に、多くの企業が300万円超のファイナンスリースを固定資産として購入するする方針を固めたことなどが背景にある。数十件であればMicrosoft Excel(以下、Excel)を使ったリース契約管理も可能だろう。巽氏は「現在でも多くの企業はExcelを使って管理しています」と現状を明かす。

 新リース会計基準適用後も同様にExcelでの管理を検討する企業もあるだろう。しかし「この手法では近い将来、業務が破綻する可能性があります」と巽氏は訴える。根拠として挙げるのが契約変更に伴う「再見積もり対応の手間」だ。

 新リース会計基準は、リース期間やリース料の変更時における資産と負債の再見積もりを求めている。再測定時点での変更後のリース料総額やリース期間に応じた割引計算し、再測定前の金額との差額について帳簿価格を修正して再測定日から残存期間で償却計算と利息計算を行ってBSに反映させる。

 「リース期間など人が検討すべき項目が存在することもあって、Excelを使った管理は容易ではありません。テナントやオフィスの賃貸は、家賃の変更や契約期間の見直しもしばしば発生するためミスも生じやすくなります」

 加えて見逃せないのが、管理対象となるリースが急増することだ。

期日までの対応完了に向けて対応ソリューションの活用を

 現行のリース会計基準と新リース会計基準が求めている会計処理の一つが、利息計算だ。「未経過リース料の期末残高」が「未経過リース料の期末残高+有形固定資産の期末残高+無形固定資産の期末残高」の10%以上の場合に必要な処理だ。

 プロシップが2023年に実施した調査によると、現行の会計基準を適用する企業のうち利息計算を実施しているのは35%。対して新リース会計基準の基礎となったIFRS16号(リース)の適用企業においては、その割合が64%に跳ね上がる。

※「事業会社向けリース会計に関するアンケート調査」 調査期間:2023年5月8日〜26日、回答企業:210社(IFRS非適用182社、IFRS適用済み28社)。

 「この結果も、会計基準の違いによって管理すべきリースが急増したことが影響しています。プロシップは長年の経験からExcelを使ったリース管理は100件程度が限界だと捉えています。新リース会計基準で企業が管理すべきリースはそれを優に上回る企業が多いと推察されます」

 新リース会計基準に対応するには、上述したリース管理以外にも多様な取り組みが求められていることを忘れてはならない。「新リース会計基準の強制適用まで3年を切っています。期日までに確実に対応するには、新基準への対応を支援する各種ソリューションの採用が現実的な策と言えます」

 新基準への対応を支援するためにプロシップが提供するのが、新リース会計基準に対応したSaaS型固定資産管理ソリューション「ProPlus+」だ。累計5000社超の導入実績を誇る「ProPlus」のSaaS版であり、初期費用は無料で月額利用料のみで導入できるため、イニシャルコストを大きく抑えられる。

IFRS対応のノウハウで対応プロセスを一貫支援

 ProPlus+は、新リース会計基準への対応に必要な機能を網羅している。主要なものだけでも以下の機能がある。

photo ProPlus+の主要機能(提供:プロシップ)

 新リース会計基準への対応は、ソリューションの導入だけでは難しいと巽氏は注意を促す。「借り手にとって重要性が乏しい」と監査法人の理解を得たリースはオフバランスでの処理が認められており、その数が多いほど対応作業の難度や負荷を抑えられる。

 「新リース会計基準のひな型となったIFRS16号において円滑に適用を進められた企業の共通点は、重要性の高いリースに絞ってオンバランス化に取り組んだことです」と巽氏は説明する。そのためには「自社にとって重要性が高いリースは何か」といった会計方針の十分な事前整理が不可欠だ。その時点で漏れや判断の誤りが生じるとシステム導入フェーズの手戻りを招き、対応完了の遅れに直結する。

 新リース会計基準への対応はどの企業にとっても初めてのこと。何をどう検討すべきか十分に理解できていないのが実態だ。プロシップが提供するサービスの最大のポイントは、100社以上の支援で培ってきた知見やノウハウを基にした一貫支援にある。

 各種ナレッジベースやテンプレート、対応プロセスなどを用意して「方針整備」から「オンボーディング」「本番運用」までベストプラクティスでサポートする。

対応を早期に成功に導くパートナー

 新リース会計基準への対応の成功要因としてプロシップが挙げるのは次の7つだ。

  1. 各論点の検討時期を明確化しつつ段階的に確定する「会計方針の整理」
  2. 新リース会計基準への対応に絞ったシンプルでミニマムな「新業務の整理」
  3. システム構想を必要以上に高度化・複雑化させない「適切なシステムスコープ」
  4. システムの稼働前後に作業に追われないための「データの収集・整理」
  5. 月次業務や年次決算を円滑に行うための「会計連携・仕訳の整理」
  6. 会計基準に適用する上で必要な条件を満たすための「システムの機能拡充度」
  7. 無駄のない導入プロセスや手戻りの少ない対応のための「対応負荷の軽減」

 プロシップはそれらを満たす多彩なツールを提供している。方針を整備するフェーズに利用できるツールは、影響額を試算して移行データを整備する「影響額試算SaaS」やリース契約を把握する「契約書調査票」、論点整理を支援する「主要論点整理表」などだ。

photo 「方針整理フェーズ」におけるプロシップの支援内容(提供:プロシップ)

 「プロシップが主催するウェビナーの参加者からは『何から始めたらよいか分からない』との戸惑いの声が上がります。予算的な問題でコンサルティングを依頼できる企業も限られています。その点を踏まえて、当社はシステムだけでなく充実したツールやサービスを併せて提供してお客さまが最短ルートで新リース会計基準対応を完了できるようにサポートします」

 巽氏によると、新リース会計基準への対応は二極化しているという。不動産契約を多数抱える流通業や不動産業、物流業などは、リースのオンバランス化がBSに与える影響の大きさから対応が着々と進んでいる。しかし、新リース会計基準で何がどう変わるのか把握できていない企業も多く存在する。

 プロシップが対応支援策として力を入れているのは、ウェビナーを開催(月に複数回)して知見を発信することだ。巽氏は「これまでの経験から、契約書の洗い出しから会計方針の整理までの他社事例の紹介や、仕訳パターンの準備などで『こう進めるべき』とアドバイスできる部分が数多くあります」と語る。

 「不動産賃貸借契約は全てオンバランスとなるのか。リースとなるものとならないものの違いは何か。会計上のリース期間はどのように見積もるのか。これらの現実的な疑問に対する情報を提供しています」

 プロシップの強みは、IFRS16で培った知見を基に「具体的にどう判断、行動すべきか」まで踏み込んだ対応を支援できる点だ。猶予がない状況にあって、円滑な早期対応に向けた最良のパートナーとなるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社プロシップ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年2月21日