エアウィーヴが“Futon”で海外へ、なぜ?(3/3 ページ)

» 2025年03月13日 16時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞
前のページへ 1|2|3       

海外に「Futon文化」根付かせる

 米国の店舗では、床やベッドの上に直接敷く日本の布団を、海外用に厚みを持たせてサイズを改良したFutonとして販売する。

 欧米の寝具市場はマットレスが席巻しているが、「ベッドの上に敷くパッドのマーケットは絶対ある。そのマーケットをFutonで作っていこうと思っている」と高岡氏。マットレスよりも薄く、機能性に優れたFutonで、寝具分野の新しいカテゴリーを開拓しようと意欲をみせる。

 その試金石となるのが、26年2月に行われるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪だ。同社は寝具カテゴリーのオフィシャルパートナーとして、3カ所の選手村の約4000床にFutonとマットレスを提供する。選手村内には「マットレスフィッティングセンター」を開設し、選手の体形を測る機器を用いて個々の選手に合わせた硬さの組み合わせを提案するサービスも提供。睡眠面で選手をサポートする予定だ。

 同社は、21年の東京大会、24年パリ大会の夏季五輪でもオフィシャルパートナーとして寝具を提供するなど、とりわけ五輪に強いこだわりをみせる。トップアスリートが使用した「実績」を積み上げることが、海外マーケットを開拓する上で強みになるとみているからだ。高岡氏は「睡眠の質にこだわる選手が増えることで、これまで光の当たらなかった寝具の社会価値も上がる」と強調。一連の取り組みを海外市場の拡大につなげ、現在の国内売上高(約200億円)の5倍となる1000億円規模の売り上げを、将来的にグローバルで稼ぐことを目指す。(西村利也)

前のページへ 1|2|3       

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.