
業務環境の多様化により、時間や場所に依存しないコミュニケーション、情報の共有ができるのが当たり前になった。この変化に伴って、オフィスの音声システムの選択肢が多様化している。音声システムはオンプレミスやクラウド、規模、就業形態などの要件によって最適解が異なる。どうすれば、自社の「正解」を見つけられるのか。NTTドコモビジネスの担当者に聞いた。
テレワークやハイブリッドワークが定着し、働き方が多様化した。どのような働き方を選んでもスムーズに業務ができるように、企業はオフィスDXに取り組んでいるが課題も多い。「中でも複雑化している課題がオフィスの音声システムです」とNTTドコモビジネスの戸苅健太氏は指摘する。
「働き方が多様化する中で、『モバイルで社内外の通話がしたい』『クラウドPBXでフレキシブルに設定変更や規模の増減を行いたい』といった声が強まっています。その一方で、セキュリティ上の制約や既存資産の有効活用という理由から『PBXはオンプレミスが望ましい』というご意見もよくお聞きします」
バックオフィスに寄せられるさまざまな要望は、従来の「クラウドかオンプレミスか」という二項対立的な考え方では対応できない。NTTドコモビジネスにも「いいとこ取り」の相談が増えているという。
「モバイル活用やテレワークのためにクラウドを利用したいが、障害時に外線発着信が利用できるようにオンプレの構成も部分的に残したいといった、片方だけでは実現できない要望はよくあります。そもそも何が正しいのか分からない、手探りの方が多いのが現状です」
NTTドコモビジネスは5つのソリューション領域を通じて、ワークスタイル変革を支援している。そのうち、オフィスDXは主に音声システムの変革を支援するソリューション群で構成されている(提供:NTTドコモビジネス)《クリックで拡大》多様化した要望に対応して最適解を提示できるように、NTTドコモビジネスは豊富なソリューション商材をラインアップとして用意している。
S4IP®(しっぷう)の最大の特徴は、AWSなどのパブリッククラウドへの実装が可能な高い柔軟性だ。
AWS(Amazon Web Services)に基盤を構築するパブリッククラウド型、NTTドコモビジネスのデータセンター基盤を利用するプライベートクラウド型、個社別に音声システムを構築するオンプレミス型から選択できる。パブリッククラウド型はユーザー数が万単位になる大規模収容と柔軟な設備拡張が可能だ。プライベートクラウド型では収容性と拡張性を確保できるだけでなく、データを国内の設備で保管できるため、高いセキュリティ環境も両立できる。
外線サービスをS4IP®環境に集約して拠点の回線設備をスリム化し、0ABJ番号(「03」や「06」など)を継続利用できるオプションもある。専用アプリを併用することで、携帯電話で代表電話に応対したり、ボイスメール(留守番電話サービス)を利用したりすることも可能だ。
S4IP®モバイルは、脱固定・脱ケーブルをコンセプトとするソリューションだ。スマートフォンさえあれば専用のPBXや固定電話を用意しなくても音声システムを構築できる。
音声専用回線を利用した高い通話品質が特長で、国内の全ての携帯電話キャリアに対応している。専用アプリによって代表電話の応対やボイスメールの利用も可能だ。フルモバイル化を目指す企業にとって頼もしい選択肢になるだろう。
「これまでの設備を無駄にしたくない」という要望に応えるのがC-Voice®だ。
既存の固定電話機や構内放送などをそのまま利用しつつ、モバイルでの内線発着信を可能にする。NTTドコモビジネスのデータセンターにPBXを設置するプライベートクラウド化によって拠点ごとのPBXを廃止できるので、コスト削減効果も大きい。内線調書管理などの音声システムの維持に当たって必要になる運用のアウトソーシングサービス、拠点ごとの資産管理を簡略化するGW機器のレンタルサービスもあり、管理・維持コストの削減も容易だ。
この他、例えば本社や工場など多店舗の業態を有する企業において、従業員同士がスムーズに連絡を取り合えるよう、インカム対応などのオプションメニューも用意している。
「基本的なPBX機能」「スピーディーに導入したい」というニーズにはSmart Cloud Phone®が適している。
利用した分だけ料金を支払う従量制で、小規模な導入が容易だ。PBXの更改時期を迎えた拠点から順次クラウド化したりオフィス宛ての電話をモバイルで受けたい人だけが先行して移行したり、といった段階的な移行にも対応できる。
デバイスの選択肢も幅広く、IPベースの固定電話機の他、PCやスマートフォンにアプリを導入して電話機として利用可能だ。ユーザー自身で設定を変更できるWebカスタマーコントロール機能も提供される。
Microsoft Teamsを社内外のコミュニケーションツールとして利用する企業が増えており、Teamsを活用して外線発着信を行いたいというニーズが増えている。これを実現したのがDirect Calling for Microsoft Teamsだ。
Teamsが利用できれば手軽に導入でき、どこでも利用できるロケーションフリーが魅力だ。Teams基盤を利用して、使い慣れたインタフェースで外線発着信ができるため、従業員に学習負荷を与えることなく利便性を高められる。必要に応じてPBXとの連携も可能だ。
既存環境との整合性確認、運用設計のサポート、Teams管理センターの設定といった技術的な作業の代行・支援サービスも用意されており、移行のハードルも低い。Teamsの普及を受けて、最も引き合いが多いソリューションだ。
音声システムを最適化することで、どれだけの成果を出せるのか。すでに幾つもの成功事例が生まれている。
ある大手製造業は、オンプレミスとクラウドのいいとこ取りに成功した。オフィスや自宅、外出先を問わずシームレスなコミュニケーションが可能になり、固定電話の取り次ぎ業務もなくなるなど、従業員が快適に働く環境を実現。音声システムの更改によってワークスタイル変革を強力に推進している。
ただ、その道のりは平たんではなかった。この企業はEOL(生産終了)になった既存のオンプレミスPBXの継続利用を希望。一方で、大部分はTeamsを活用した音声システムに移行し、固定電話機を廃止してモバイル化したいと考えたからだ。
「Teamsでは実現できない外線通話や非常用電話、構内放送などの要件がありました。そこで私たちのチームは、Direct Calling for Microsoft Teamsを導入するとともに、既存PBXをSI(システムインテグレーション)により連携させました」と戸苅氏は実現にこぎ着けた工夫を明かす。
他にも、ある大企業で、年度末の人事異動などに伴う膨大な作業負荷を人事部門や情報システム部門以外にも分散した事例がある。ポイントは、従業員が電話関連の設定を変更できるようになったことだ。
「以前は数日かかった作業が、1日で完了します。新しく着任した従業員が、その日のうちに自分のスマートフォンで新しい部署の電話に応対できる。新しい名刺が届くのとほぼ同時に音声システムが整うスピード感は、経営層にも高く評価されています」
こうした運用の効率化に役立ったのが、S4IP®の「セルフSOツール」やSmart Cloud Phone®のWebカスタマーコントロール機能だ。エンドユーザーの「今すぐに変えたい、今すぐに使いたい」という要望に応えて、専門知識がなくても着信グループなどの設定を容易に変更できる仕組みになっている。
「100の企業があれば100の要望があります。本社には新システムを導入できたが営業拠点や工場を含む全社導入は難しいという企業は多いようです。われわれはそのニーズに対応できる豊富なソリューションを用意しています。さまざまな環境構築の経験を生かしたSIを組み合わせて、お客さまのワークスタイル変革に力添えしたいと思います」
NTTドコモビジネスは、さらなる進化を見据えている。音声システムとAIの融合だ。
「現在は音声システムとAIの組み合わせに注力しています。通話内容を自動で録音して社内のナレッジとして共有したりカスタマーハラスメント対策に活用したり、といった取り組みをNTTグループ内で始めています」
これまでの音声システムにおけるAI活用はコンタクトセンターが中心だったが、オフィスの一般的な音声システムに拡大。2026年度から取り組みをさらに強化する。
戸苅氏は「特定の場所に縛られることなく、かつAIがナレッジ化や音声コミュニケーションの高度化を支援することで、音声データそのものが企業の知的財産へと変わる。そんな未来の実現を支えたいと考えています」と力強く語る。
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