新リース会計対応は「当社の使命」 1100社の支援と世界一を目指すプロシップの挑戦

多くの企業が新リース会計基準の対応に向けた準備を進める中、プロシップの新リース会計対応SaaS「ProPlus+」が、サービス開始から約1年半で1000社超の企業に採用された。なぜ多くの企業が同社を選ぶのか。その背景には、新リース会計対応の支援を「使命」と位置付ける同社の姿勢がある。

PR/ITmedia
» 2026年09月29日 10時00分 公開
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 2027年4月以降に始まる事業年度から、上場企業や会社法上の大企業、その子会社への強制適用が始まる新リース会計基準。IFRS16号とほぼ同等と言える会計基準だ。従来と最も異なる点は、オフバランスで処理できたオペレーティングリース取引について、原則として使用権資産とリース負債のオンバランス計上が新たに求められる点だ。

 会計・経理担当者の実務への影響は甚大だ。オペレーティングリースの全社的な把握や識別が新たに要求される他、対象となるリース取引はリース期間の見積もりも個々に発生する。リースの適切な管理に向けた契約情報の一元管理体制も構築する必要があるため、複雑かつ煩雑な作業を覚悟しなければならない。

 この大きな制度改正の現場を支える存在として注目されているのがプロシップだ。固定資産管理ソリューションの老舗であり、新リース会計基準にいち早く対応した「ProPlus」を手掛けている。同社の新リース会計対応SaaS「ProPlus+」は、2024年12月のサービス開始から約1年半で導入実績が1000社を突破した。

 固定資産・リース管理領域を専門としてきた同社は、制度対応への不安を抱える企業を支援するため、システム提供にとどまらず、システム導入の前工程にあたる方針整理を支援するためのセミナーや解説コンテンツの提供にも力を入れている。人手不足が叫ばれるIT業界において、同社はいかにして質の高いサービスを提供し、顧客を獲得しているのか。同社代表取締役社長の鈴木資史氏に、製品開発の狙いと今後の展望を聞いた。

photo プロシップ 鈴木資史氏(代表取締役社長)

成長を支えるハイブリッド戦略とは

 ProPlus+の提供に当たり、同社が重視したのが導入作業の自走化だ。従来のコンサルタントや営業、エンジニアによる対面支援を大幅に削減し、ユーザー自身でスムーズに導入できる仕組みを整えた。

 「人の支援が導入のボトルネックにならないように、お客さまが自走できるモデルを目指しました。これまで当社のスタッフが個別で説明していた導入ノウハウを動画コンテンツとして体系化し、必要なときに参照できる環境をつくりました。システム側にもナビゲーション機能を搭載し、画面の指示に従って設定を完結させられるようにしています」

 その結果、ProPlus+は約1年半で1000社を超える企業に導入された。「オンプレミスのProPlusだけでは、この状況は到底考えられませんでした」。鈴木氏はProPlus+の手応えの大きさをこう説明する。2026年3月期の連結売上高は対前年度比10.7%増の83億7400万円、経常利益は同26.4%増の30億7400万円と、業績も至って好調だ。

 この結果は同社の読み通りとも言えそうだ。プロシップが2024年に発表した中期経営計画「Be Hybrid 2028」では、2024〜2025年度を成長に向けた基盤の構築期と位置付け、大企業特有の複雑なニーズに応える従来のパッケージモデルに、導入容易性の高いSaaSモデルを加えたハイブリッドモデルの構築を最重点施策として掲げた。

photo プロシップの中期経営計画。2026〜2027年度を「拡張期」とする(提供:プロシップ)《クリックで拡大》

 注目すべきは、ERPや会計システムのリース管理モジュールではなく、ProPlus+が数多くの企業に採用されている点だ。なぜ企業はプロシップを選ぶのか。鈴木氏はその理由を、同社が長年培ってきた「専門性と実績、安心感」にあると語る。

 「新リース会計基準は、多くの企業にとって過去に経験したことのないレベルの制度改正です。当社はこれを単なるビジネス機会とは考えていません。固定資産・リース管理の専門企業として、日本企業の円滑な制度対応を支援することは当社の使命だと考えています。

 だからこそ私たちは、システムだけを提供するのではなく、会計方針の決定を支援するセミナーや解説資料、実務情報の発信など、お客さまが安心して制度対応に取り組める環境づくりを進めています。お客さまの声を取りまとめ、会計基準設定主体であるASBJにコメントを提出するなど、制度形成の段階から企業実務に寄り添った活動をしてきました。こうした対応は今回に限ったことではありません。私たちの先輩方が長年積み上げてきた実績と信頼に対する評価であり、非常に誇らしいことです。

 新リース会計基準が非常に複雑で難しいことをお客さまも理解しています。経理担当者は運用面でさまざまな不安を抱えているため、『システムまで不安を抱きたくない』『一番安心できるものを使いたい』と考え、固定資産・リース管理において高い専門性を有する当社を選んでくださっていると感じています」

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 少しの計算誤差も許されない会計・経理の世界において、制度適合性と計算精度に裏打ちされた信頼性。それこそが、多くの企業から支持を集める同社の強みだ。

 中期経営計画「Be Hybrid 2028」では、2026〜2027年度を事業の拡張期と位置付ける。ProPlus+による導入基盤の拡大を追い風に、同社は新たに「1100社の新リース会計対応支援」という目標を掲げている。

 「当社のビジョンは『世界で最も優れた固定資産管理ソリューションを提供する』こと、すなわち『固定資産・リースの領域で世界一になる』ことです。しかし、その前に私たちは日本企業が直面している新リース会計対応という大きな課題に向き合わなければなりません」

 その思いを形にしたのが『ProShip 未来応援プロジェクト 〜新リース会計対応チャレンジ1100〜』だ。対象案件を1社受注するごとに寄付金を積み立て、日本赤十字社などに総額1100万円の寄付を目指す。制度対応支援と社会貢献を結び付ける同社の姿勢に共感し、導入企業が採用事例の公開に協力するなど、ベンダーと顧客の枠を超えた強い信頼関係が構築されている。

 「当社が支援できる企業を1社でも増やし、日本企業全体の制度対応を後押ししたい。1100社という数字は単なる販売目標ではありません。新リース会計対応を支援したいという、私たちの使命を具体的な行動目標に落とし込んだ数字です」

photo 新リース会計基準対応における1100社の課題解決を目指す「ProShip 未来応援プロジェクト」(提供:プロシップ)

“お客さまの不安解消”を第一に

 プロシップの商品力は、同社の組織文化に由来するという。鈴木氏はエンジニアとして1998年にプロシップ(当時の日本エム・アイ・エス)に入社した。以来、ProPlusの前身となる商品から開発に携わってきた。

 「当時は従業員が50人ほどの規模でした。当社のエンジニアは、独立系ベンダーとして、販売代理店に頼ることなく、お客さまと直接向き合う立場にありました。要望や対応に関する評価の声を直接聞くことができたのです。これが励みとなってエンジニアの誰もが『お客さまの不安解消を第一に意識する』という文化が自然と醸成されていました」

 その意識は今も引き継がれている。一般的に、法律や会計制度の変更対応は複雑な専門知識と解釈のリスクを伴う。そのため、ソフトウェアベンダーのエンジニアとしては敬遠しがちな業務だ。税理士や会計士などの専門家に指示された通りに作ることを望むケースも多い。しかし、「プロシップのエンジニアは異なる」と鈴木氏は強調する。

 「当社のエンジニアはお客さまの不安解消のために、先を競って法案を解釈し、システムや業務のあるべき姿を模索します。制度の読み解きについて同僚と議論を交わし、専門的な要件定義も自分たちで対応します。それが制度対応製品のいち早いリリースにつながっています」

 この「顧客第一」の風土は、開発部門にとどまらず営業部門にも浸透している。同社が開催するセミナーは、自社製品の機能をアピールするのではなく「オペレーティングリースを対象から外すための理論の組み立て方」など、実務上の課題解決に絞った講義を行うケースが多い。

 「当社のセミナーは製品紹介が主目的ではありません。場合によっては、当社のシステムを導入しなくても解決できる方法をご紹介することもあります。それがお客さまのお役に立てるのであれば、当社の果たすべき役割だと考えています」

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固定資産管理を“守り”から“攻め”に

 新リース会計対応による成長に手応えを得る同社。中期経営計画では2028年度から「次期成長領域の開拓を通じた飛躍期」に突入する。鈴木氏はこれからの成長軌道をどう描いているのか。中期経営計画では2028年度に売上高150億円超、経常利益率30%超の達成を掲げるが、鈴木氏が目指すのは特需の終了後も見据えたさらなるバリューアップだ。

 「固定資産は、メーカーなら工場、小売りなら店舗といった具合に、本社からは見えにくい場所に実体があります。その可視化とAIによるシミュレーションなどを掛け合わせて、意思決定の高度化支援に力を入れます。経理の単なる業務効率化にとどまらない、経営の質そのものを向上させる『マネジメント・プラットフォーム』に進化させます。この領域ではすでに電力業界向けソリューションを提供しており、他業界向けにもメニュー化を進めています」

 固定資産管理はこれまで制度対応という“守り”の色が濃かった領域だ。それを、現場データの可視化と分析による“攻め”の施策につなげるというのが鈴木氏の描く戦略だ。

ProPlusの“付加価値”を今後、どれだけ高められるか

 同社が目指す世界一に向けたもう一つの柱が、グローバル展開と、顧客基盤を背景としたプラットフォームビジネスへの進化だ。

 既に日経平均構成企業225社のうち半数以上となる119社をユーザーとする同社だが、この2つを両輪として大手企業の新規開拓に注力し、年間売上高1000億円以上の企業におけるシェアを「できる限り早期に過半にまで引き上げる」と鈴木氏は力を込める。一筋縄ではいかないことは鈴木氏も理解している。だが、達成の暁には「プロシップは大きく変貌を遂げる」と断言する。

photo (提供:プロシップ)《クリックで拡大》

 「ProPlusがモノの管理プラットフォームのデファクトスタンダードになれば、企業の莫大(ばくだい)な資産データが集まります。それらを匿名化・統計化技術やAIと掛け合わせれば、政府の発表よりも早い『設備投資指数の速報』の提供など、新しいデータビジネスが可能になります。お客さまの不安解消に対してデータ活用という観点から多角的に踏み込めるようになるのです。もちろん、安心してデータを預けていただくためのセキュリティ強化や暗号化技術の取り込みも積極的に行います」

 新リース会計基準という巨大な制度改正を機に、SaaS化と自走化を進め、過去最高益を更新し続けるプロシップ。同社にとって現在の成功は、世界一のソリューションに上り詰めるための通過点に過ぎない。

 インタビューの結びとして、鈴木氏は未来への期待と決意を語った。

 「振り返ったとき、『昔のProPlusでできたことはこれだけだったね』と従業員と笑いながら語り合える未来をつくりたいと思っています。それは、当社が現在のプロシップやProPlusから大きな進化を遂げて、新しい価値を社会に付加できたという証左に他ならないからです。そのために不足している力はまだ幾つもあります。『世界一』という目標は簡単に実現できるものではありませんが、われわれには『世界一になれる可能性』があると確信しています。世界一を目指す強い意欲と熱量を持った方には、ぜひ共に挑戦してほしいですね」

 専門性の追求と人海戦術からの脱却、そしてデータ活用企業への脱皮――プロシップの挑戦は、日本のIT業界と企業経営の在り方に大きな示唆を与え続けている。

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