大学の「就職」ランクキング 就職率が低い学部は?(1/2 ページ)
2024年卒の学生を対象とした大学別実就職率ランクキングを見てみよう。学部系統別に平均実就職率を算出し比較した。
2024年卒の学生を対象とした大学別実就職率ランクの最終回は、番外編として、学部系統別に平均実就職率を算出し比較した、「主な学部系統の平均実就職率」を見ていこう。実就職率は、「就職者数÷(卒業生数―大学院進学者数)×100」で算出した。
学部系統別の実就職率の検証前に、全体の実就職率の変化を見ておこう。コロナ禍で徐々に下がっていた平均実就職率は、21年卒の85.5%で底を打った。その後、徐々に回復し、24年卒は89.1%(8月31日現在)。
学部系統別の平均値も、大半が上がる中、平均実就職率が最も高い看護系は、前年を0.7ポイント下回った。それでも、実就職率が底だった21年卒でも95.6%と抜けていた看護系は、高値安定が続いているといえよう。
就職に有利な資格が取得できる系統は強く、教育系の平均値は92.9%。教員不足もあり、教員免許が取れれば高い確率で就職できる学部系統といえる。
一方、就職に有利な資格が取得できるにも関わらず、平均実就職率が85.2%と低いのは薬学系。薬剤師国家試験が難化していることもあり、2000年代初頭の薬学部新設ラッシュ時に開設した歴史の浅い大学を中心に、合格率が低い学部が少なくないことが背景にある。
主に一般企業に就職する、非資格系を見ていこう。企業は採用の際に、大学名や学部を重視しないとするが、現実には学部系統間の平均実就職率には差がある。
非資格系学部の中で実就職率が最も高いのは理工系。製造業の採用数が多いことに加え、情報技術の発達にともない、銀行や証券など、いわゆる文系職種への間口が広がっている。近年は外資コンサル企業の人気が高いが、IT関連の案件が増えていることから理系人材の採用が増えており、外資コンサル大手のアクセンチュアには、東京工業大(24人)、東京理科大(15人)など、工科系大学からも多く就職している。
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