2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

修学旅行で京都に行けない? その背景にある2つの理由(1/3 ページ)

インバウンド(訪日外国人)の急増や旅行費の高騰などを受けて、修学旅行の行き先を変更する学校が出始めている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
産経新聞

 インバウンド(訪日外国人)の急増や旅行費の高騰などを受けて、修学旅行の行き先を変更する学校が出始めている。修学旅行の定番といえば京都というイメージもあるが、インバウンド増に伴う混雑が激しく、予定通りのプランで旅行が進まないトラブルも少なくないという。首都圏では北陸方面などに行き先変更を検討する学校も出ている。

photo
高知市立南海中学校の生徒が昨秋、京都を訪れた修学旅行。混雑ぶりが目についたという(同中学校提供)

「混雑しない日ない」

 高知市立南海中学校(高知市長浜)では今年1月、広瀬啓二校長が、例年10月下旬に京都・大阪に行っていた修学旅行先を名古屋市周辺に変更すると保護者へ説明した。「子供が残念がる」という声もあったが納得した保護者が多かったようだ。

 変更の主な理由は京都における観光客の急増だ。前年の修学旅行では班活動で公共交通機関で京都市内の清水寺や仁和寺といった歴史的名所を回るプランだったが、乗車予定のバスに人があふれ、バスの到着が遅れたり、乗り損ねたりする生徒が相次いだ。

 また、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも、長蛇の列ができ、アトラクションを楽しめなかったという。

 広瀬校長は「京都・大阪は高知から身近な大都市で歴史的価値も高い。だが、混雑が激しくグループによっては訪問先を断念することもあり、教育的効果が見込めないと判断した」と話していた。

 関西地方の混雑ぶりは一昨年の修学旅行から感じ始めていたというが、旅行会社に相談したところ「関西は今や年間を通じて混雑しない日はない」と担当者が断言。行き先の変更を検討し始めたという。行き先が変わることで例年以上に入念な教員の下見が必要であるなど、学校側の負担も少なくないが「柔軟に対応すべきだと考えた」という。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る