日産自動車は15日、神奈川県横須賀市の追浜工場の車両生産を2027年度末に終了すると発表した。同工場での生産車種は日産自動車九州(福岡県苅田町)へ移管し、生産機能を統合する。27年度末以降の追浜工場の従業員の雇用については今後、労働組合との協議を始める方針だ。
日産は経営再建策「Re:Nissan」で世界の生産能力を350万台(中国除き)から250万台に削減し、新車販売の低迷で低下している工場稼働率を改善する方針を掲げ、内外17の生産拠点を10拠点に削減する計画を5月に公表。稼働率が低い追浜工場は削減対象の候補となっていた。
生産終了後の追浜工場については幅広い選択肢を検討し、最適な活用方法を決めていくとした。
一方、追浜工場の生産は終了するが、隣接する工場地区にある総合研究所やテストコース「GRANDRIVE」、衝突試験場、追浜専用埠(ふ)頭(とう)などは、今後も事業を維持する。
追浜工場の生産終了について、同社のイバン・エスピノーサ社長は「私にとっても会社にとっても簡単な決断ではありませんでしたが、現状の課題を克服し、持続可能な未来を築くための重要な一歩だと信じています。追浜工場は日産の歴史の誇りであり、その伝統は永く受け継がれていくでしょう。この工場を支えてきた従業員や地域の皆さま、パートナーの皆さまに心から感謝申し上げます。私たちは今後も追浜地域での事業を継続し、地域社会へ貢献していきます。そして、追浜工場の精神を引き継ぎながら、日産本来の価値を取り戻すために取り組んでいきます」とのコメントを発表した。
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