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ニセコの“負の遺産”に新たな担い手 止まったリゾートがようやく動き出す(1/2 ページ)

香港系の開発会社が破産し、工事がストップした北海道ニセコ町の高級リゾートを巡り、事業の継承先が東京のファンド会社に決まったことが15日、関係者への取材で分かった。

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産経新聞

 香港系の開発会社が破産し、工事がストップした北海道ニセコ町の高級リゾートを巡り、事業の継承先が東京のファンド会社に決まったことが15日、関係者への取材で分かった。早ければ9月にも工事が再開される見通し。外国マネーの流入で地価が高騰した「ニセコバブル」の影を象徴するトラブルだったが、町は「ひとまず安心した」としている。

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建設が中断したニセコ高級リゾート。道路には立ち入り禁止と書かれた柵が設置されていた=今年5月、北海道ニセコ町(白岩賢太撮影)

 「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山(1898メートル)のふもとにあるニセコ町曽我地区。町の中心部から車で約10分ほどの別荘が立ち並ぶ閑静なエリアに、昨夏ごろから工事がストップした高級リゾートホテルがある。5月中旬、建物の入り口に通じる道路には立ち入り禁止と書かれた柵が片側に設置され、工事関係者とみられる人の姿もあった。

 2021年、香港系企業が出資した「ラ・プルーム・ニセコ・リゾート特定目的会社」(東京)が工事に着手。その後、資金調達に行き詰まり、約3割程度進んだところで止まったままだが、計画によると、約4.2ヘクタールの用地に全219の客室と5つのプライベートヴィラ(戸建て施設)を備えたニセコ最大級のリゾートとして開業する予定だった。

 トラブルが表面化したのは今年4月。工事を請け負った札幌市のゼネコンがラ・プルーム社の破産を裁判所に申し立て、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが明らかになった。ゼネコンの担当者は「工事の進捗(しんちょく)に応じて支払われる代金が滞るようになり、やむなく破産を申し立てた」と話す。

 複数の関係者によると、開発会社が資金繰りに行き詰まった背景には、中国の不動産バブルが弾けたこともあったとみられる。着工当初は投資家向けの説明会も開催されていたが、工事が停止してからは連絡がつかない状態が続いているという。

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