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“NISSANデザイン”の新中枢に迫る!
■デザイン/プランニングエリア

 デザイン/商品企画の部門が集まるエリアは、新デザインセンターの2階にある。写真の場所は、日産の中では中〜長期のプランニングを行うデザインスタジオ。モーターショーなどで披露するコンセプトカーなど将来の日産カーがここで描かれている。ピボ(PIVO/2005 TMS)やエフィス(EFFIS/2003 TMS)といったユニークなコンセプトカーもこのチームから生まれた。左の円形の屋根があるのがデザイナーのデスク、そして右側のデスクには企画やエンジニアリングの担当者がいる。

■デザイン/プランニングエリア
ピボ(PIVO/2005 TMS)、エフィス(EFFIS/2003 TMS)

 このように部署の異なるメンバーが同じフロアで同時に作業することで、セクションを越えて同じベクトルで開発を進められるようになっている。フロアのすぐそばには実車を持ち込めるスペースも用意されている。天井の高い広々とした空間となっており「天井からグライダーを飾りたい」という社員の意見も認められるなど自由な雰囲気も。

■モデリングエリア
■モデリングエリア

 新デザインセンター1階には、クレイモデルを削ったり観察したりするモデリングエリアがある。マスコミ公開日には、モデル場に東京モーターショー(TMS)で注目を集めたエフィス/トライアント/セレニティ/レディゴ(以上2003 TMS出展車)/クラーザ(2005 TMS出展車)といったショーカーが展示されたほか、未公開のコンセプトカー「エアリークラウド/AIRY CLOUD(写真右端)」もお披露目された。写真奥に見える柱の部分は普段はシャッターで仕切られているが、こうしてシャッターを開けることで隣接するプロジェクトと同時作業が行えるようにもなっている。

 モデル場の奥側にはNC切削機などが設置。手作業も交えながらクレイモデルを製作していく。ヘッドランプやフロントグリルなどクレイ(粘土)を使わずプラスチックパーツを使用する部分もある。クレイは60度前後の加熱で軟化し、常温で硬化。大まかなラインはNC切削機で削り、微妙なラインは熟練したモデラーによる手作業で少しずつスクレイパーで削っていくという作業を繰り返す。また、すぐ横には3次元モデリングに対応したコンピュータが設置されており、デザイナーがモデラーと同じフロアでスケッチを描くことができる。このように同じ空気感の中で作業を進めることで、効率的かつ効果的にモデリングができるようになっている。

■コラボレーションエリア
インフォメーションギャラリー

 3階はコラボレーションエリア。さまざまな刺激が必要なデザイナーのためのクリエイティブな環境づくりを支援する「インフォメーションギャラリー」では、車以外のデザインオリエンテッドなものを展示して、デザイナーの感性を高める役割を担う。そのほか、どんなプロジェクトにも共通する普遍的な要素、例えば品質/マテリアル/カラー/ヒューマンインタフェースなどをディスカッションするホールなども設置。施設内にはデザイナーの創造力を最大限発揮できるような環境づくりが随所になされている。