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「コンフォートパッケージ」――小さなボディでも実現できる快適空間
BMWミニ「MINI Clubman」

 コンパクトカー「ミニ」のルーフラインを延長した「MINI Clubman(ミニ クラブマン)」。独創的なプロポーションで1960年代を彩った「モーリス・ミニ・トラベラー」「オースチン・ミニ・カントリーマン」「ミニ・クラブマン・エステート」をルーツに、新世代のスタイリングを施したMINI最新バージョンだ。通常の2ドアに加えて右側にクラブドアと呼ばれる観音開き式のドア(分割式ドア)を装備。通常のミニ(3ドアハッチバック)と比較して全長を240ミリ・ホイールベースを80ミリ延長することで後席足元のスペースを拡大。ラゲッジルームの容量も260〜930リットルを確保している。後席のバックレストは分割可倒式。

 ルーフ・トリムと同色のリアドアフレームや40種類以上の組み合わせが可能なカラーコンビネーションなど、室内外ともに幅広いカスタマイズが可能なオプション装備品とアクセサリーを用意した。
 すべてのエンジンバリエーションで、オートマチックスタートストップ機能、ブレーキエネルギー回生システム、シフトポイントインジケーターなど各種システムを装備し、燃費と排ガス値の向上を図っている。また、ABS、EBD(エレクトロニックブレーキフォースディストリビューション)、CBC(コーナリングブレーキコントロール)、ブレーキアシスタント、坂道発進アシスタント機能付きDSC(ダイナミックスタビリティコントロール)を標準装備した。MINI Cooper S ClubmanにはオプションでLSDも設定可能。

MINI Clubman01
MINI Clubman02
フォルクスワーゲン「space up!」

 往年のスモールカー代名詞「ビートル」を世に送り出したフォルクスワーゲン。東京モーターショーでワールドプレミアとなった新コンパクトカー「space up!」は、その偉大な先輩の心臓部・フラット4と同じ「リアエンジンレイアウト」を採用している。

 もっとも、リアにエンジンを配置したのは“究極の室内空間”を作り出すため。完全4シーターのインテリアは、座席の素材に乗員の体格に合わせて形状が変化するエアフローフォーム材を採用。運転席をのぞくすべてのシートは折りたたみ&取り外し可能。リアのベンチシートには2座の一体型チャイルドシートを内蔵し、座面をひっくり返して2つのショルダーサポートを引き出すだけで使用できる。
 さらに、3680(全長)×1630(全幅)×1540(高さ)ミリというコンパクトボディには観音開きの4ドアスタイルを採用。リアにも観音開きのテールドアを採用しており、実質“6ドア”というべきユーザビリティを確保している。このテールドアを開けると220〜1005リットルのカーゴスペースがあらわれる。

space up!01
space up!02
トヨタ「iQ CONCEPT」

 トヨタ自動車のコンパクトカー「iQ CONCEPT」は、全長2980ミリという3メートルにも満たないボディに、大人3人と子供1人が乗車できるスペースを作り出したコンセプトモデル。同社のコンパクトカー「ヴィッツ」の全長3785ミリと比較すれば、その小ささがよくわかる。しかしショートな全長と対照的に幅は1680ミリとワイド。これはヴィッツの幅(1695ミリ)とほぼ同等だ。そのほかにも無駄を省いた高能率パッケージで室内の快適性を高めているという。ハイブリット技術による環境性能の高い車をラインアップする同社だが、iQ CONCEPTではコンパクト化による環境性能の向上にスポットを当てている。

 “自然美とテクノロジーが融合したデザイン”というそのフォルムは直線は個性的なラインで構成され有機的な雰囲気を備えている。このデザインフィロソフィーはインテリアにも反映されており、メーターパネルからセンターコンソールに続く躍動的なラインが特徴的だ。ボタン類は少なくシンプルでラグジュアリーな雰囲気。思わずワイン片手に潜り込みたくなるような、上質な空間だ。

iQ CONCEPT01
iQ CONCEPT02

取材・文・撮影 / +D Style編集部