新鮮な天然もののふぐにこだわっているため、10月〜3月までの年の半分しかオープンしないという、てっちりの店が「鮮てっちり 浜藤」だ。各界の有名人も多く訪れるこの店には、乾晴彦店主の半端ではないこだわりと、いい意味での「遊び心」が、たっぷりと詰まっている。また、年の半分の営業で、六本木の交差点からすぐというロケーションながら、下関産の天然もののふぐを、コース1万円台で食べさせるというのは特筆に値するのではないか。 |
素晴らしいのはコンセプトだけではない。素材には細部にわたってこだわりが反映されている。下関産の天然のふぐに、鍋の水は木曽川上流の伏流水。羅臼産の昆布に枕崎産の鰹節。白舞茸、下仁田葱、白菜など、多くの食材が作り手、産地にこだわったものである。 |
「てっさ」に引き続き、「てっちり」はふぐも美味いが、しっかりした味の野菜がとてもうまい。それをまた、ポン酢だけでなく、オリーブオイルと藻塩で食べると、ふぐ鍋なのに、上品なオイルフォンデュを食べているような錯覚に陥りそうになる。 |