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「suimin'ROOM」の最新システムで“快眠”を体験する

快眠システムとは、照明器具、寝具、空調機器、AV機器などを統合制御する装置のこと。松下電工は、約20年にわたる眠りの生体的基礎研究をもとにこのシステムを開発し、さらに部屋の内装部材、防音ドアなどの住建部材を含めて「質のよい眠りと目覚め」に導く室内環境を、2006年2月よりホテル・企業内施設向けに販売している。ナショナルセンター東京の2Fにある「suimin'ROOM」で実際に快眠システムを、体験できるというので早速訪ねてみた。

インストラクターにお悩み相談
睡眠改善インストラクター 小澤雅子さん


 コースは全部で1時間。suimin'ROOMには、国立精神・神経センターの白川修一郎博士の指導で、「睡眠改善インストラクター」という資格を得た専門スタッフが常駐しており、快眠システムの体験以外に、睡眠に関する悩みなどを気軽に相談をすることができるようになっている。「眠りの質をよくしたい」「なかなか寝つけない」といって訪れる人が多いという。

 今回対応していただいたのは、睡眠改善インストラクターの小澤雅子さん。まず「眠り相談ソフト」を使って、睡眠トラブルがないかを探っていく。31問の質問に順に答えていくと、最後に眠りの健康度数が表示され、その結果を見ながらインストラクターがアドバイスをくれる。「寝ている間のことだけではなく、生活習慣に合わせたアドバイスをしています。不眠はちょっとしたことで、改善されますから」と小澤さん。

 なお、100点満点中50〜60点台の人が多いとのこと。ちなみに筆者は68点だった。超夜型生活のため、睡眠習慣が著しく欠如しているという結果が出た。生体リズムの乱れ、時差ぼけ状態を引き起こし、寝起きが悪くなっているようだ。「エレベーターではなく、階段を使って、日常生活で運動を取り入れたり、夜メラトニンを出すために、日中なるべく日の光を浴びた方がいいですよ」との助言を小澤さんからいただいた。

眠り相談ソフトを使って問題を探る
快眠システムに身を投じる

 快眠体験は約20分間。このときインストラクターは立ち会わないので、リラックスした状態で、睡眠体験ができる。プログラムには、「入眠前くつろぎ」「入眠誘導」「睡眠中」「起床誘導」「お目覚め後」で構成されている。

タッチパネル操作、入眠前くつろぎ
タッチパネル操作、入眠前くつろぎ

 タッチパネルに起床時間をセットし、スタートボタンを押すと、いよいよシステムがスタートする。バックには気にならない程度の音量で、小川のせせらぎや虫の声が流れている。まったく音がないよりは、適度な音があったほうが眠りに入りやすいという。また利用者がベッドに入るときの部屋の明かりにもこだわっている。設定は約150ルクス。また同社では特殊フィルタをつけた世界初の照明を開発し、読書灯として適した明るさを実現させた。落ち着いた感じの明るさだが、文字が読みやすいのが特徴である。

入眠誘導、睡眠中
入眠誘導、睡眠中

 ベッド正面にあるプラズマディスプレイから緑やオーロラなど自然をテーマにした映像が映し出されるとともに、今度は電動マットのエアーマッサージ機能が作動する。全身ストレッチが行われ、疲れをほぐしてくれる。これにより心地よい眠りが……。うとうと状態に入ると、快眠システムの新開発の「非接触睡眠センサ」が感知し、徐々に明かりが落ち、電動マットやAV機器なども自動的にオフになる。

 この非接触睡眠センサは、眠りの状態や離床・在床を検出する優れもので、前出の機能以外に、体動や心拍数を計測し、睡眠中目覚めてベッドから離れると、足元灯やトイレまでの導線の明かりが自動的に点灯、ベッドに戻った際は自動的に消灯するといった機能まで備わっている。

起床誘導、お目覚め後
起床誘導、お目覚め後

 起きるときは、逆に徐々に照明が明るくなっていく。また音楽、映像も流れ始め、覚醒に導かれる仕組みだ。カーテンを開け、日の光を入れればさらに目覚めの効果が高い。今後は自動カーテンの導入も予定されている。

suimin'ROOMの新たな試み
健康度結果シートがもらえる。今後の睡眠生活の参考に


 体験コース約20分という短い時間でも、ほとんどの人が眠りに落ちてしまうという。帰りに眠りの健康度数や改善点などが書かれたシートをもらい、快眠体験が終了。半ば仕事だということを忘れていたが、最後に「仕事中でもどうしても眠いときは、たった15分目を閉じてみる。これだけで頭がすっきりして、仕事がはかどりますよ」と小澤さんに言われ、我に返った筆者だった……。頑張ります。
 なおsuimin'ROOMは完全予約制で、料金は1回2000円(税込み)。専門スタッフに気軽相談でき、さらに快適な睡眠体験ができてこの値段は破格だ。ただしこちらはお昼寝スポットではなく、あくまでも快眠体験の場なので、注意していただきたい。

 「現在企業向けに総合提案している睡眠システムを、今後は個人向けとしての販売を目指し検討段階に入っている」(同社)。suimin'ROOMは、2007年春リニューアルを行う予定。新しい取り組みを見ることができそうだ。

取材協力 ナショナルセンター東京「suimin'ROOM」 住所:〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 2F くらし新体感フロア TEL:03-6218-0010(予約制) 営業時間:10時〜18時 休館日:お盆・年末年始
URL:http://national.jp/center/tokyo/
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取材・文/+D Style編集部
撮影/香野 寛