快楽旅団

この街を一言で片付けてしまうのは難しい。砂漠の一角に突如現れたその街並みは、フランスのエッフェル塔あり、ニューヨークの摩天楼あり、ギリシャのパルテノン神殿ありと街そのものが一夜の夢で消えてしまうような錯覚にとらわれてしまう。さながら大きなテーマパークともいえる。そのテーマが指し示すとおり、ディズニーランドの如くハリボテ感満載である。大理石かと思えば、ペイントされたものだったり、パルテノン神殿エンタシスの柱に施された彫刻かと思ったら、セメントでただ型取りしたものだったりと…。でも楽しい。地震がない為かその工法も面白く壁から立てていくなど、一週間滞在しているとその工期の進みの速さに目を見張るばかりだ。ホテルを巡って歩くだけでも十分一日過ごせる。

隣にホテルが見えるから歩いていこうと思ったら最後、後から後悔すること必至。近いと思った建物が歩けど歩けど近づかない。そうやたら大きいのである。ホテルの端から端まで15分は当たり前。バランス感覚がおかしくなるはずだ。ちょっと変わったラスベガスのホテル郡を今回は紹介したいと思う。

さて、代表的なホテルといえば、ラスベガスの中心地 「フォーコーナーズ」 （ストリップ大通りとフラミンゴ通りの交差点）に位置する「フラミンゴ」である。1946年に開業したこのホテルは、最も古いホテル。規模的にも立地条件的にもその存在感は絶大だ。それでもベラージオ、ベネシアン、ウインなどの人気ホテルの登場にともない、話題性が低下してきているの。90年代のテーマホテルの建設ラッシュ以前は、日本人観光客のほとんどがこのホテルに泊まっていたがもはや昔の話だ。ITの変遷以上にラスベガスの動きは激しい…（本当）。

かつてギャンブルで隆盛を誇り、９０年代に入り、「トレジャーアイランド」「ニューヨークニューヨーク」テーマパーク化したラスベガスは、家族旅行のメッカとなった。セリーヌディオンやシルクドソレイユそして大物アーティストを招聘とノライブなどナイトーショーの充実が図られ、エンターティメントの街に変遷した。

リゾートラグジャリー化 現在ではギャンブルは収益の4割程度しかなっていないのだという。かつてテーマパークホテルを推し進めたスティーブ・ウィン氏（先日１５０億のピカソの絵を台無しにした本人）が自分の名を冠したWynnホテル以降本格的にラクジャリーに楽しもうというホテルが多く上陸しようとしている。W hotelもまもなく完成する。ホテル自身も買収が繰り返され再編されている。ある意味ラスベガスという場所は、成熟して生きている。

では、どのホテルが良いか？基本的にシーズン値上げがある。２つ星のホテルでも大きなコンベンションがある場合通常＄50の部屋も一気に＄250にあがる暴挙ぶり。逆に今最高級とされているWynnは、閑期には、約1/3で宿泊する事もできる。まさに情報戦である。豪華に行きたい。カップルで楽しみたい。お金はないけど楽しみたい。などなど目的は多数である。

寝るだけだということで良いのであれば、ランクの高いホテルで朝食を取り、プールを楽しめばよい。
そこに宿泊しないでもファシリティーを楽しめるので利用したい。ラスベガスホテル道は、踏み込めば踏み込むほど険しいのであった。
ところで、かつての熾烈なテーマパークとカジノ乱立の動きが今マカオで見ることができる。ベラッジオなどを運営しているSANSなどラスベガスのホテルグループが大挙して、マカオに建設されるという。Wynnホテルもつい最近完成したという。
近々マカオの快楽旅団をお届けしたいと思う。