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基本的な画質はかなり良い、ただし“ゴースト”に注意――「ARROWS X LTE F-05D」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)

» 2011年12月28日 13時34分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 ISO感度は基本的にオートのみだが、シーンの中に高感度モードが用意されている。暗いときはそれを使うとちょっと撮りやすくなる。けっこう暗めの場所でもクオリティは高い。

photophotophoto 通常(写真=左)と高感度(写真=中)で撮影。高感度モードで撮ったうちの猫(写真=右)

 ただ、通常だとISO感度がいくつで、高感度モードにするとどのくらいまで上がったかはさっぱり分からない。実は写真に撮影情報がほとんど記録されないからだ。デジカメではEXIFという規格にのっとって、レンズやシャッタースピードや絞り、露出補正、ISO感度などの情報が書き込まれるので、後からどんな設定で撮ったかがすぐ分かる。だがARROWS X LTEのカメラは絞りもシャッタースピードもISO感度も空欄のままなのだ。

 初期のケータイカメラにはよくあったが、イマドキのケータイやスマホでここまで空欄が多いのは初めて。富士通の製品だからかと思って調べてみたが、3年前の端末ではしっかり撮影情報が書かれていた。謎である。なくても写りには関係ないけれども、ここまでカメラに力を入れた機種としては、いただけない。

 動画撮影はフルHD動画に対応。H.264圧縮の3gpファイルとして記録される。


 最後にエフェクト効果モードの作例をいくつか挙げておこう。まずHDR。コントラストが高い構図の場合、HDRを使うことで、つぶれていたシャドウ部や飛んでたハイライト部が復活する。ただし、ちょっとした手ブレで合成がずれちゃう(実は下の作例も一部がずれてる)ことがあるので注意。

photophoto 左からノーマル、HDR強で撮ったもの

 もともとのコントラストが低い場所では、アーティスティックな写真になる。これを狙ってみるのも面白い。逆光のシーンで使うのもお勧めだが、例のゴーストが出ちゃうかもしれないので難しいか。

photo HDRアートっぽいうちの猫

 次は背景ぼかし。あれこれいろんな被写体を撮ってみたが、うまくいったのはこういう感じの構図だった。帽子以外が大きくボケてる。ただ、左上や右上の木がボケずに残ってるなど、完ぺきにはほど遠いけれども。

photo 背景ぼかし

 色味を思い切り強く出したいときはビビッドが。紅葉や落ち葉もここまで真っ赤になってくれる。これはこれで面白い。

photo ビビッド

 クロスプロセスでは、街のなんてことないスナップをアートっぽく仕上げてくれる。

photo クロスプロセス

 シャドウ部をぐっと締めた陰影の強い写真にしたいときはダークがお勧め。

photo ダーク

 そんなわけで、基本的な画質はかなり良い。本当にきれいに撮れる。撮影もサクサク進むし、カメラアプリの使い勝手もいい。エフェクト機能もいくつか使えないものを除けば、派手めの効果が楽しめる。

 ただ、写真をたくさん撮りたい人ならこれがお勧め、とはいかないのがたいへん残念。本当に残念。基本画質はトップに迫るレベルなんだけど、いかんせん、ちょっと逆光になっただけで光の輪が映り込んでは困るのである。ぜひ改善を望みたいところだが……。

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