ハイエンドコンデジの主流を1型センサーに引っ張り上げたソニーの「RX100」(DSC-RX100)。いろいろと使ってて不満に思う点はあったものの、このコンパクトなボディに1型センサーの画質を入れて来たのはさすがソニー、とみなが思ったのであった。それが2012年のこと。
その後、1年ごとに新製品が順調に登場している……のだが、よく見ると毎回同じパターンではない。
普通、RX100のあとに「RX100 II」(DSC-RX100M2)が出たら、IIが後継機であって、初代機は徐々に市場から消えていくと思うじゃない。消えないのである。新しく出たIIは上位モデルであり、初代機はそのまま残ったのだ。
2014年に「RX100 III」(DSC-RX100M3)が出たときも、IIIはチルト式モニターに加えてポップアップ式ファインダー、さらにより明るくて広角側に振ったレンズを搭載してRX100三兄弟の一番上に収まり、2012年の初代RX100はそのままエントリー機的な位置付けで残ったのである。
そして2015年、「RX100 IV」(DSC-RX100M4)が登場した。いやはや、2012年の初代機から2015年のIVまで、全部現役の四兄弟体制になったのだ。
この4モデル、「常に新型は上位モデルとして機能と価格をアップして登場することで、上下関係を維持したまま」なのがスゴいところ。
つまりIVは、今までのRX100シリーズの中でもっとも高性能でもっとも高価というわけなのだが、そのIV、2014年のIIIとどこが変わったか。
見た目は同じである。
すごいよね。普通、新製品にするときは、デザインコンセプトは受け継ぎつつも、微妙に質感が変わったり、デザイン上のちょっとしたアクセント(ラインの位置とか太さとか)を加えたりするものだが、それも一切していない。
RX100シリーズは初代からグリップ部分の凹凸がなくて片手で持つとひっかかりがなくて落としちゃいそうといわれてきたけど、ずっとそのままである(オプションでグリップが用意されている)。
それでもRX100からRX100 IIIまではモニターやレンズなどの変化が、見た目に若干の差異をもたらしていたのだが、今回のRX100 IVはレンズもポップアップEVFもチルト式モニターもRX100 IIIと同じなので、見た目の違いがないのだ。
とはいえ、今回は「動画」関連が革命的に進化したので、その話から始める。
ではRX100 IIIとRX100 IVで何が変わったか。それはイメージセンサーである。
1型で2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーというところまでは同じだが、IVでは新開発の「メモリー一体積層型」センサーを搭載。従来の5倍以上の高速読み出しが可能となった。
その「速さ」を生かして、RXシリーズ初の4K動画対応、フルHDでのハイスピード動画(スーパースローモーション)、電子シャッターによる1/32000秒の超高速シャッターを実現した。さらに連写も最高で秒16コマと速くなった。
IVの一番の違いはここだ。
特に「動画」機能が最大のウリとなるわけで、最初にその話をしよう。
何はさておき4K動画。連続して5分と長さは限られているが4K動画を撮影可能。
SDXCカードが必要だが、いつでもさっと撮れる。さらに高画質な100Mbps記録にも対応しており、その場合はUHS-I(U3)の高速なカードが必要だ(一般的なSDXCカードはUHS-IのU1規格なので、それでは60Mbpsまで。それでも十分使える)。
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