「EOS 60D」第3回――撮影後にアートフィルターで楽しむ:長期試用リポート
EOS 60Dはシリーズで初めてエフェクト機能である「アートフィルター」を搭載した。派手な効果を得るというより、ちょっとしたスパイスを効かせるぐらいのつもりで使うのがよさそうだ。
EOS 60DはEOSシリーズでは初めて、カメラ内RAW現像とエフェクト機能である「アートフィルター」を搭載した。RAW現像については付属現像ソフト「Digital Photo Professional」を利用することでより詳細な設定で現像できるため、あくまでもボディ内RAW現像は「手っ取り早くJPEGが欲しい」という状況に対応するための機能ととらえてよいが、アートフィルターは特徴的な効果を撮影した写真に与える機能として最近人気だ。
EOS 60Dが搭載するアートフィルターはざらついた白黒フィルムのような表現とする「ラフモノクロ」、全体をやわらかくぼかす「ソフトフォーカス」、色調を変えと周辺の光量を落とす「トイカメラ風」、部分的なぼかしを加えることでミニチュア風の写真とする「ジオラマ風」の4つ。本機能の搭載に積極的なオリンパス製品に比べると種類は少ないが、効果の具合や色調などを調整することもできる。
適用については、撮影後にメニューより「アートフィルター」を選択し、その後に適用する写真の選択、適用する効果の選択、効き具合などの調整という手順となる。処理後は別ファイル名にて保存される。RAWとJPEGいずれにも適用は可能だが、M[RAW]ないしS[RAW]で撮影した画像については処理を施すことはできない。また、あくまでも適用は撮影後になるため、ライブビューで撮影前に適用するとどうなるかを確認しながら……といったこともできない。また、動画への適用もできない。
「ジオラマ風」はいわゆる“本城写真”を気軽に撮影できる機能として多くのカメラに搭載されているフィルターだが、本製品では部分ぼかしの施す位置を上下/左右を含めて調整できる。そのため、ジオラマ風写真にするほか、前ボケ風写真を作り出すという小技にも利用できる。
これらアートフィルターは機能としてはシンプル。用意された中で最も派手な効果を得られる「トイカメラ風」でも、どこか上品な雰囲気が漂う。思い切った効果を与えるためというより、撮影した写真にちょっとしたスパイスを加えるという気持ちで利用するのがよいのかもしれない。
関連記事
- 長期試用リポート:「EOS 60D」第2回――フタケタEOSで動画を撮る
EOS 50DからEOS 60Dへの進化に伴う、大きな変更点の1つが動画撮影機能の搭載だ。フルハイビジョン撮影可能な、EOS 60Dの動画機能について確認する。 - 長期試用リポート:「EOS 60D」第1回――50Dユーザーからみた60D
キヤノンのミドルクラス「EOS 60D」をある程度長期間、使う機会に恵まれた。個人としてEOS 50Dをメインカメラとしていることもあり、どれほどの進化を遂げているのか興味のあるところだ。 - ファーストインプレッション:バリアングル液晶付きの多機能一眼レフ――キヤノン「EOS 60D」
キヤノンのデジタル一眼レフ「EOS」シリーズに、初のバリアングル液晶を搭載した新作「EOS 60D」が加わった。新しくなった機能と操作性を中心に、ファーストインプレッションをお伝えしよう。 - 趣味なら、本気で。――写真で見る「EOS 60D」
「趣味なら、本気で。」を掲げるキヤノンの新スタンダード、「EOS 60D」を写真で解説する。 - バリアングル液晶搭載の「新スタンダード」、キヤノン「EOS 60D」
キヤノンから“写真愛好家のための新スタンダード”「EOS 60D」が登場。充実した基本機能や「表現セレクト」機能のほか、シリーズ初のバリアングル液晶などでプラスαの楽しさを提供する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.