画質と操作性を徹底追求、こんなに進化した「G」のフラッグシップ――キヤノン「PowerShot G1 X Mark II」(2/3 ページ)
キヤノン「PowerShot G1 X Mark II」は同社コンパクトデジカメの最上位モデルだ。画質と操作性を徹底追求したという、その性能は本物か? じっくりと使ってみた。
多機能を素早くコントロールできる独自の操作系
ボディは、外装をフルブラックでまとめた高品位な作りだ。サイズはコンパクトデジカメとしてはやや大きめだが、上着のポケットには収まるくらいで携帯性は悪くない。ボディ天面の電源ボタンを押すと、レンズバリアが開いて鏡胴がせり出し、約1秒強で撮影スタンバイになる。
液晶モニターには、上に180度、下に45度まで可動するチルト可動式を採用する。ローポジションやハイポジションからの撮影が気軽に実践できるほか、液晶をレンズ側に向けることで、自分撮りやツーショット撮影が楽しめる。加えて、タッチパネルにも対応。AFエリアをタッチ操作で素早く選択したり、2本指の操作で画像の拡大縮小がスムーズに行える。
ファインダーは、前モデルにあった実像式の光学ファインダーが廃止となり、オプションの電子ビューファインダー(EVF)が天面のアクセサリーシューに装着可能になった。カメラをしっかりとホールドしながら撮りたい場合は、このEVFを購入するといいだろう。表示は大きく、視野率はもちろん100%に対応。明るい屋外撮影では特に役立つ。
AFスピードは、センサーのフレームレートを向上させることで、前モデルより約42%の短縮を実現。AF機能としては、31点のAFフレームが自動で選ばれる「AiAF」や、登録した人物に優先してピントを合わせる個人認証、シャッターボタンの半押し中は常にピントを合わせ続けるサーボAFなどを備えている。
さらに、マニュアルフォーカス関連の機能が充実。背面に設けた専用ボタンのワンタッチでAFからMFに移行でき、画面の拡大表示を見ながらリングまたはホイールの回転によって手動でのピント合わせが行える。ピントが合った部分に色を付けて強調表示にするMFピーキング機能や、1回のシャッターでピント位置を前後にずらした3枚を連続的に撮影するフォーカスブラケット機能も利用可能だ。
操作面では、「デュアルコントロールリング」と呼ばれる新開発の操作系が見どころになっている。これは、レンズの鏡胴部に設けた2つのリングにさまざまな機能を割り当て、その値を回転操作によってスムーズに切り替えられる仕組み。割り当て可能な機能は、絞りやシャッター速度のほか、露出補正、ISO感度、アスペクト比、ステップズームなど。また、背面のコントローラーホイールにも、同様に割り当て機能のカスタマイズができる。
下の写真は、1枚目ではプラスの露出補正を、2枚目ではマイナスの露出補正をそれぞれ適用して撮影したもの。どちらもデュアルコントロールリングを活用することで、狙い通りの露出に即座にセットすることができた。また3枚目は、マニュアル露出モードを使って、あえてアンダー気味の露出で撮った写真だ。
さらに、ショートカットボタンや動画ボタンの割り当て機能の変更や、ファンクションメニューの編集、マイメニューの作成などにも対応する。これらを細かく設定し、自分にとって使いやすいようにカメラの操作性をカスタマイズできることは、多機能を駆使したいユーザーにとってありがたい仕様といえる。
そのいっぽうで、手軽に撮影するためのオート関連の機能も満載。例えば58種類のシーンをカメラが自動的に認識して、そのシーンに応じて各種設定を最適化する「こだわりオート」モードや、1回のシャッターで異なるエフェクトを加えた6枚を同時に記録する「クリエイティブショット」、静止画と動画を一緒に記録する「プラスムービーオート」などだ。また、星の動きを光跡として美しく記録する星空モードや、スマホなどと連携できるWi-Fi機能も備えている。
以上のようにオートからマニュアルまで、非常に内容の濃いカメラに仕上がっている。大きくて重い一眼レフは持ちたくないが、かといってスマホや普通のコンパクトデジカメには満足できない人には特にお勧め。一眼レフのサブカメラとしても最適だ。
提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia デジカメプラス編集部/掲載内容有効期限:2013年3月30日
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