50.6Mフルサイズセンサー搭載、超高画素モデル「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」発表:ローパスフィルターキャンセルモデルも
キヤノンが、さらなる高解像度を実現するデジタル一眼レフカメラ「EOS 5Ds」と「EOS 5Ds R」を発表、5Ds Rは光学ローパスフィルターの効果をキャンセルする機能も備えた。
キヤノンが2月6日、「圧倒的な超高画素」を実現したとする、「EOS 5Ds」と「EOS 5Ds R」を発表した。「EOS 5D Mark III」の派生モデルという位置付けの製品で、6月に発売を予定している。価格はオープンプライスだが、実売想定価格はEOS 5Dsが46万8000円前後、EOS 5Ds Rが49万8000円前後。
EOS 5Dsの特徴は、有効約5064万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載し、これまでにない高い解像度を実現したこと。EOS 5D Mark IIIの2230万画と比べると2倍以上の画素数で、素風景写真など、解像感が求められる写真で威力を発揮する。特に大判プリントを前提とした商業撮影や、トリミング、レタッチ、合成などに適した情報量の多い写真の撮影に向くという。センサーのサイズは35.97×23.98ミリ、画素ピッチは4.14ミクロン。
さらに、解像感を低下させる光学ローパスフィルターの効果をキャンセルする機能を備え、さらに解像感を高めたのがEOS 5Ds Rだ。あくまでもローパスフィルター“レス”ではなく、垂直分離をするローパスフィルターを通してからキャンセルするというプロセスで、ローパスフィルターのない状態とほぼ同じ状態を再現するものだという。これにより、偽色や色モアレが発生する確率は高まるが、より高い解像感を得られる。
解像感を高める工夫として、新しいピクチャースタイル「ディテール重視」も搭載し、スタンダードよりも細い線や細かい部分のエッジ強調がつよめにかかり、輪郭が細く拡大時の品位がいい写真が撮れるようにした。シャープネスの項目には、「細かさ」「しきい値」のパラメーターを用意している。
高画素になればなるほど顕著になる、振動ブレへの対策も施し、ミラーの上下などによってカメラ本体が振動し、ブレの発生を低減。レリーズタイムラグを任意に設定する機能なども備える。また高画素を生かしたクロップ撮影もサポートし、1.3倍(30.5M相当)、1.6倍(19.6M相当)での疑似望遠撮影も可能だ。エクステンダーがなくても、簡易的な望遠撮影に対応する。
常用ISO感度は100〜6400で、拡張時には12800まで上げられる仕様。連写速度は最高で秒間5コマとなっている。AFは61点高密度レティクルAFで、約15万画素252分割の新AEセンサーを採用し、EOS iTR AFも可能になっている。
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