大日本印刷、国内最大級の電子書店「honto」を開設
大日本印刷は、同社のPC向け電子書籍販売サイト「ウェブの書斎」をリニューアルし、bk1と連携したハイブリッド型総合書店「honto」をスタートさせた。
ウェブの書斎をリニューアル、bk1との連携も
大日本印刷(DNP)は11月25日、同社のPC向け電子書籍販売サイト「ウェブの書斎」をリニューアルし、ハイブリッド型総合書店「honto」をスタートさせた。同社の書店持ち株会社であるCHIグループは7月に、約10万点のコンテンツをそろえた国内最大級の電子書店を開設すると発表していたが、hontoがそれに当たる。
リニューアルに伴いサイトのユーザーインタフェースを改良。各デバイスに最適化した表示が可能になったほか、インクリメンタルサーチを実装した検索機能が用意されている。また、販売動向を反映したリコメンド機能も追加された。
ハイブリッド型としているのは、CHI子会社の図書館流通センターが運営するオンライン書店「bk1」との連携部分。hontoの各商品ページでは、紙の書籍が購入可能であれば、bk1の商品ページへのリンクが明記され、クロスセルを狙っている。
「ウェブの書斎」のユーザーは、同サイト登録時に利用したメールアドレスがhontoでの会員IDとなり、パスワードはそのまま引き継がれる。移行措置として、一定期間はウェブの書斎の会員IDでもログイン可能だという。bk1とのID統合はされておらず、bk1で購入する際はbk1での会員登録が別途必要となる。
販売される電子書籍のデータフォーマットは、ボイジャーのドットブックのほか、XMDF、PDFのいずれかとなる。PCで閲覧する場合は、それぞれのファイルフォーマットに対応したビューアが必要。
iPhone/iPad向けには、専用のビューアアプリが無料で提供される。hontoでは、「BOOK」「COMIC」カテゴリが用意されており、各カテゴリでそれぞれ専用のビューアアプリ(honto BOOK、honto COMIC)が必要となる。これまで提供されていた「ウェブの書斎 BOOK Reader」「ウェブの書斎 COMIC Viewer」は、アップデートによりhonto BOOK、honto COMICとなる。なお、ウェブの書斎で購入した電子書籍は、ダウンロードリストから再ダウンロードする必要があるが、基本的にはそのまま引き継げる。ただし、今回新たにサポートされたiPadを想定していない作りとなっていたものについては、iPadで読むことができない(ダウンロードしようとすると、『現在アクセスされているデバイスからはご利用になれません』と表示される)。
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