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米Random Houseも電子書籍の価格方式についてはエージェンシーモデルを選択:大手6社がそろい踏み
大手出版社Random Houseも、同社発行の電子書籍の価格決定について、出版社自らが小売価格を決定するエージェンシーモデルに移行することを発表した。これにより大手6社の足並みがそろったことになる。
独Bertelsmannグループの大手出版社Random Houseは2月28日(現地時間)、3月1日から同社発行の電子書籍の価格決定について、出版社自らが小売価格を決定するエージェンシーモデルに移行することを発表した。
エージェンシーモデルとは、小売価格を書店ではなく出版社が設定する方式。日本とは異なり、米英の出版業界ではほとんどなじみのないモデルだが、電子書籍の価格についてAmazon.comの影響力が強いことを牽制するため、他の大手5社はこの方式での販売を選択していた。態度を保留していた最後の大手出版社であるRandom Houseも移行を決めたことで、ついに大手6社の足並みがそろったことになる。
本件について、全米書店組合のAmerican Booksellers Associationも歓迎の声明を発表している。
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