Freescale、動画再生を表示するE Inkディスプレイを披露
E Inkディスプレイ上で動画を再生――一昔前なら一笑に付されたものだが、技術の進歩により、それが可能になりそうだ。このことは、電子書籍リーダーの市場価値を高めるかもしれない。
多くの企業が今年、E Inkディスプレイ上で動画を再生できるコンセプトプロトタイプを披露した。数カ月前にBokeenは自社の研究開発施設から素晴らしい見栄えの動画を披露した。
Amazon、Sony、Koboといった現世代電子書籍リーダーのほとんどの内部プロセッサを製造しているFreescaleはE Ink Pearlを利用して1秒当たり30フレームを再生した新たな動画を披露した。
この技術が近い将来に電子書籍リーダーに採用されるかどうかは何ともいえないが、興味をそそられる企業もあるかもしれない幾つかの興味深い側面は注目だ。例えば、Amazonの電子書籍リーダーと同社の広告付きモデルを見れば、広告はすべて静的だ。Amazonがこの動画で紹介されている技術の一部を利用すれば、広告はフレームレートの小さなアニメーションを表示できる。それにより広告はより動的になり、潜在的なパートナーに好評を博すことになるだろう。
ほかの企業であれば、この技術を利用して多くの広告パートナーを獲得することで、ハードウェアの損失から転じて利益を得ることができるかもしれない。次世代Kindleの莫大な割引価格により、ほかの企業も低価格で自社のデバイスを提供せざるを得ない。電子書籍リーダーの動画技術は競争の差別化要因を追加し、その技術を利用する実用的なオプションを可能にするだろう。
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