Samsung、エレクトロウェッティングディスプレイを搭載した電子書籍リーダーを2013年に販売
Samsungは、2013年からエレクトロウェッティング(液滴駆動)ディスプレイの大量生産を開始する。電子インクベースのディスプレイを大きく改善することが期待される注目の技術だ。
エレクトロウェッティング(液滴駆動)技術をLiquavistaが保有していた2010年当時、われわれはこの技術について多くのことを耳にしていた。そして今、エレクトロウェッティングディスプレイが再び話題になりつつある。もっとも、Liquavistaは韓国の巨大企業であるSamsungが2010年に買収したので、今回はSamsung発ということになるが。
Samsungは2013年にエレクトロウェッティングディスプレイの大量生産に入ることを明かした。これはSamsung LCD Netherlands R & D Center(SNRC)の所長であり、2002年にそのディスプレイが生まれてから研究に関与してきたヨハン・フィーンストラ氏が明かしたものだ。同氏はLiquavistaが電子書籍リーダー向けの利用を想定していた小型ディスプレイ(6インチ前後)だけでなく、大型の9.7インチディスプレイも開発中であることを明かした。
エレクトロウェッティングディスプレイを搭載した製品が世に出るのはほぼ1年後だが、現在電子書籍リーダー市場を席巻している電子インクベースのディスプレイに大きな改善があるので、待つ価値はある。カラーとモノトーン、どちらも同じ品質で表示でき、リフレッシュレートも大幅に改善される。そして、エレクトロウェッティング技術の持つ最大の強みは極度に電力消費が少ないことで、すでに素晴らしい電子インクベースの電子書籍リーダーはバッテリーパフォーマンスはさらに改善されることだろう。
懸念されるのはエレクトロウェッティングディスプレイの価格だ。ここ数年で電子書籍リーダーの価格は大きく下がっている。これから1年後、エレクトロウェッティングベースの電子書籍リーダーが発売された際の価格設定が興味深い。
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