ナショナルジオグラフィック、電子書籍短編シリーズをローンチ
Kindle Singlesのような電子短編の作品をリリースする動きが活発になる中、ナショナルジオグラフィックもこの領域に参入する。
電子出版が有益な点の1つとして、あらゆる読者に何かをもたらす柔軟性と機能性を挙げることができる。AmazonのKindle SinglesやAtavistの短編のように、多くても3万ワードほどの作品がさまざまな短編文学への関心を呼び起こしている。
そんな中、ナショナルジオグラフィックも、1万5000ワード以下にまとめた読者に訴求するタイトルで電子短編に参入しようとしている。最初の4タイトルは3月20日にまず2冊が上梓され、今春に2冊が続く予定だ。最初の4冊を刊行後、毎月1冊をリリースする計画としている。
短編の電子出版が読者と出版社の双方に人気なのは、それらが典型的な雑誌記事よりもさらに多くのコンテンツを読者に提供する一方で、最新号に合わせた即時性を持たせられるためだ。ナショナルジオグラフィックの初回刊行分は、例えば「タイタニック:世界最大の海難事故の秘密を解明する」で、この電子書籍は事故から100年目に合わせてリリースされる。
こうした短編電子書籍の長所は、雑誌の広告スペースとコンテンツのバランスを取る必要がないことで、読者は深みのある情報を享受でき、著者は定期刊行物の水準を超えて詳しくトピックを追求できる。今年のDigital Book World内のイベントで、Atavistaの創設者であり電子書籍短編の先駆者であるエヴァン・ラトクリフ氏はエッセーと短編カテゴリーで増え続ける入手可能タイトルを楽しむ読者向けにその魅力について説明した。
願わくば、ナショナルジオグラフィックが電子書籍短編を出版する動きに合わせて、より多くの有名雑誌と新聞が電子読書ファン向けに話題のトピックを掘り下げる長編コンテンツを提供開始してほしい。電子書籍はナショナルジオグラフィックのストアを通してリリースされた。
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