Jコミが絶版TRPGルールブックの無料公開に挑戦:TRPG、くるかも?
漫画やライトノベルの無料公開でおなじみの「Jコミ」が、“絶版TRPGルールブック”の公開に着手。すでに1作品の配信許諾をとりつけており、配信形態などについてTRPGファンからの意見を求めている。TRPG、これから盛り上がる、かも?
絶版になった漫画やライトノベルに広告を入れて無料公開している「Jコミ」が、絶版したTRPGルールブックの配信に取り組みはじめた。Jコミ設立者の漫画家・赤松健さんは、ブログに「★ TRPGの絶版ルールブックを、Jコミで無料公開する実験を行います」というエントリーを投稿。これによると、第1弾として角川スニーカー・G文庫で出版されていたルールブック「ベルファール魔法学園」の配信許諾を、角川書店とゲーム開発元のヴァンガードから得たという。
ところでTRPGとは、ルールブックやサイコロを使い参加者が会話をしながら楽しむロールプレイングゲームのこと。ニコニコ動画にTRPG関連の動画がいくつも投稿されていたりするので、目にしたことがある、興味を持っているネットユーザーもいることだろう。
JコミがTRPGに興味をもった経緯はtogetterのまとめが詳しい。Jコミで公開しているTRPGのコラム本「RPGこわい」の読者ツイートに赤松さんが反応し、盛り上がったようだ。赤松さんは、「古いルールブックの無料配信は、ぶっちゃけ今さら誰も損しないし、例によって『誰もがトクをする』win-win-win企画に育てていけたら、Jコミっぽくて良いような。」とTwitterでコメントするなど、取り組みに期待を寄せている。
Jコミは、許諾の取れた「ベルファール魔法学園」をテストケースとして、ゲームに利用するという性質にあった配信形態などを探っていく考え。これまでのやりとりから配信方法の雛形はできているようだが、赤松さんは「とにかく私は素人ですので、ホントにこれで良いのか不安です」とブログで心中を明かし、識者からのコメントを募っている。TRPGに明るい読者は、ブログのコメント欄から意見するといいだろう。
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