ニュース
漫画作画のプロセスを時系列で見られる、うめ「デジタル原画展ver1.0」:これがデジタル時代の“原画展”だ
ネームや下描き、ペン入れ、仕上げなど、漫画の作画の途中段階におけるデジタルデータを液晶ディスプレイを用いて“展示”するユニークな原画展が、リブロ西武池袋本店で開催中だ。
「大東京トイボックス」「ちゃぶだいケンタ」などで知られる漫画家のうめ(小沢高広・妹尾朝子)氏のデジタル原画展が、リブロ西武池袋本店コミックフロア特設会場にて開催されている。
一般的に漫画の原画展といえば、紙の原稿用紙に描かれた原画を並べることがほとんどだが、昨今ではデジタル作画が主流となりつつあるため、紙の原画がそもそも存在しないことも珍しくない。この原画展では「紙の原画展の生々しさをデジタルで再現したい」という思いの下、ネームや下描き、ペン入れ、仕上げなど、作画の途中段階におけるデジタルデータそのものを液晶ディスプレイを用いて“展示”している点が、従来の漫画の原画展との大きな違いだ。
さらに、表紙のボツデザインや歴代初版本の帯なども展示されるほか、単行本の色校正見本など、制作のプロセスを知っている人ならばニヤリとさせられる展示物も多数。同氏の作品のファンはもちろん、デジタル作画に興味を持つ同業者やクリエイターにも興味深い展示であることは間違いない。
開催は8月20日(月)まで、会場はリブロ池袋本店書籍館4階リブロコミックフロア特設会場となっている。入場は無料。なお同原画展の開催を記念して、8月5日(日)の14時より「デジタル漫画家サミット」と題して、うめ氏のほか、ひうらさとる氏と太田垣康男氏を招いてのトークイベントも開催される。申込方法などの詳細はリブロホームページで確認してほしい。
関連記事
- マンガ大賞2012、大賞は荒川弘の「銀の匙 Silver Spoon」
マンガ大賞2012の結果が発表。「大東京トイボックス」は2位となった。 - うめ・小沢高広×一色登希彦×藤井あや:電子書籍における漫画インタフェースを大いに語る(前編)
漫画が電子書籍として配信されるケースが増えている中、漫画家の意見はあまり反映されることなく進んでいる感がある。本特集では、うめ・小沢高広氏、一色登希彦氏、藤井あや氏という電子書籍の出版経験を持つ現役の漫画家3名が、思いのたけを語り尽くす。 - うめ・小沢高広×一色登希彦×藤井あや:電子書籍における漫画インタフェースを大いに語る(後編)
電子書籍で配信される漫画に漫画家の意見はどこまで反映されているのだろうか。うめ・小沢高広氏、一色登希彦氏、藤井あや氏という電子書籍の出版経験を持つ3人の現役漫画家による座談会は、業界への提言へとつながっていく。対談記事最終回。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.