未来の出版社
出版社は今後どのようになっていくのだろうか。海外で開催されているFutureBookカンファレンスではそうした未来の出版社についてさまざまな意見が交わされている。
今年のFutureBookカンファレンスではパネルディスカッションの1つに、出版社の未来への懸念に対するものがあった。このパネルの発表者は「われわれは読者が読むものを提案しているか、あるいは読者が読みたいコンテンツを創造しているか」という本質的な問いかけを行なった。
Faber & Faberのスティーブン・ページCEOは、例えばPenguinとRandom Houseの最近の統合といった現在の出版領域で生まれている一部ビジネスモデルがどれほどエキサイティングかを紹介、中堅出版社Osprey Groupのレベッカ・スマートCEOは新刊のリリースにおいて自社読者からのフィードバックにどう反応するかについて発表を行った。
Source BooksのCEOであり創設者のドミニク・ラッカー氏は、テキスト以上の読書体験を創造するリスクを冒してでも、学生向けにより魅力のある学習体験をいかにインタラクティブに創造するかを説いた。
「動機はゼロ地点にあります」とラッカー氏はSourcebooksが今年はじめに発売し、最近The New York Timesがレビューしたインタラクティブなシェークスピアシリーズについて、学級担任の教師からのフィードバックを引用して紹介。続けて、新たに立ち上げたPut me in the Storyプラットフォームのデモを行った。
「iTunes StoreでPut me in the Storyプラットフォームを書籍ではなく教育カテゴリーにリストしました。それはこれらの書籍が読者にとっていかに魅力的か強く思うところがあるからです」とラッカー氏はGoodeReaderに語った。
パネルの最終講演者はウィル・マッキニス氏。同氏は出版業界に対して幾分アウトサイダーな存在だが、かつての出版業界の姿について非常に興味深く、また明確な声明を発表した。パネリストと出席者によって描かれた未来はコンテンツ制作者をアウトサイダーとしてとらえておらず、読者を中心に据えた認識になっていることを指摘した。
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