新連載が『マーガレット』でスタート、その想いとは? 種村有菜さんインタビュー(3/3 ページ)
『マーガレット』5号から新連載が始まる漫画家の種村有菜さん。意気込みを伺いました。
種村さんがマンガの道を歩むきっかけとなった一言とは?
―― 種村さんがマンガ家を志したきっかけを教えていただけますか?
種村 絵やマンガを描くのが好きなので、昔から、一生、絵やマンガを描いて暮らせたらいいなとは思っていました。ただ、イラストレーターになるか、マンガ家になるかはすごく悩みましたね。わたし、はじめての投稿作品を描くまで、マンガって描いたことなかったんですよ。
―― えっ、それは意外です!
種村 絵ばかり描いていて、高校一年生の春休みに投稿するために初めてマンガを描いたんですよ。マンガを読むのは好きだったけれど、読むのと描くのは使う脳みそが違うので。でも、一回描いてみて、それを送ったら、もちろん賞には全然引っかからなかったけれども、一次審査通過で2000円もらったんですね。で、これはいけるんじゃないかと自信がついて、送り続けたというのがきっかけです。
後、いとこの女の子が、わたしの描くイラストが好きだといってくれていたのですが、ある日その子がわたしの描いたキャラクターを見て、『この子のお話ってないの? この子のマンガが読みたい』って言ったんですね。それで、じゃあその絵から膨らまして描いてみるかと思って、マンガを描きはじめたというのが最初ですね。
―― そのいとこの女の子の一言が、大きなきっかけになったんですね。
種村 そうですね。マンガを描くという踏ん切りがついたのは、その言葉かもしれないですね。
―― 最初に描いた作品は、まだ残っていますか?
種村 残っています(笑)。でも、本当に見られたものじゃないですよ。内枠の中に絵を描かないといけないのですが、そのうち枠のサイズがめちゃくちゃなんですよ(笑)。ストーリーも暗くて、死んだ恋人の弟とくっつくという(笑)。その作品を見てから、今の作品を見るとだいぶ明るくなったと思いますよ。
―― 種村さんが影響を受けた映画やアニメ、マンガを教えていただけますか?
種村 最初にわたしをオタクにしたのは、宮崎駿さんですね。小学校一年生のときに『風の谷のナウシカ』を観て、衝撃を受けました。アニメはそこから好きになりましたね。で、第二次オタク期が中学校1年生のころで、『ふしぎの海のナディア』にハマりました。庵野秀明監督のアニメとともに、第二次オタク成長期を過ごしました(笑)。ナディアは、第1話から最終話まで逃さず見た初めてのアニメだったんですよ。
―― では、マンガ作品ではどうですか?
種村 マンガは、実は保育園のころに、『別冊マーガレット』とか『別冊フレンド』とか『別冊少女コミック』みたいな、高校生やちょっと大人な人が読むくらいの雑誌をお母さんが買ってきて読んでいたんですね。だから、わりと大人びた保育園児でした(笑)。
また、当時はマンガってこれしかないと思っていたので、小学生のときにはじめて『りぼん』をお母さんの同僚のOLさんに買ってもらって読んだときは、すごい衝撃的でした。「何だ、このかわいいのは!」って。大人っぽいマンガからのギャップがすごくて、たぶん普通の女の子よりもマンガはハマっていたと思います。
―― それは、ある意味で英才教育ですよね。
種村 そうだと思います(笑)。で、中学生のころは『少女コミック』にハマっていました。『マーガレット』も小学校のころから読んでいたのですが、大変申し訳ないんですけど、そのころは児童館で読んでいました。その児童館に『マーガレット』が全部そろっていたんですよ。
―― それは良い児童館ですね。
種村 そうなんですよ(笑)。そこで連載されていた麻生いずみ先生の『光の伝説』という作品がすごく好きで、新体操のお話なのですが、それに影響されていつも新体操の絵を描いていましたね。だから顔よりも体を描くのが好きになりました。そういう意味では、すごく勉強させていただいたなと思っています。
―― 種村さんが最近ハマっていることやご趣味があれば教えていただけますか?
種村 ずっとハマっているんですけど、風男塾ですね(笑)。前からアイドルは好きで、ハロープロジェクトも追いかけていたし、好きなんですけど、ここまで芸能人にハマったことはあまりないですね。全国ツアーがあったときは、わたしも全国を回りましたから。それは風男塾のメンバーと約束したからなんですけど(笑)
―― ブログではモルディブに行ったと書かれていましたが、よくモルディブに行かれているんですよね。
種村 あ、そうなんですよ。去年の12月にも行ってきました! これで4回目のモルディブです。でも、ハワイとかには一度も行ったことないんですよね(笑)。よく極端だといわれます。
―― 何度もモルディブに行かれる理由は?
種村 この前、占い師さんに水や海にすごく癒されるタイプといわれたのですが、まさにその通りで、水族館とか大好きなんですよ。モルディブなんて足だけしかつからないような浅さのところでも、大きな魚がたくさん泳いでいるんです。だから、泳げなくても楽しめるし、生き生きとした魚と一緒に泳ぐというのは本当にたまらないですね。だから定期的に癒されに行っています(笑)
―― 種村さんの今後の野望を教えてください。
種村 そうですね……『猫と私の金曜日』がヒットしてくれたらいいなと思っています(笑)。この作品に対しては、いつもよりもさらに本気を出していて、ネームも『これでできた!』っていうところからさらに満足の限界を上げて、もっと練って、ちょっとでも面白くないところがなくなるように努力しています。
後、せっかくフリーになったので、イラストのお仕事や単発のお仕事もできたらいいなと思っています。
―― では最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
種村 たぶん、いままでわたしの作品を読んでくださっていたファンの方は『猫と私の金曜日』を読んで、『有菜っちの本気を見たな』と思ってくださるかなと思います(笑)。
いままでは自分の好きなものを好きなように描いてきましたが、今回は読者さんがより楽しんでもらえるように描いているので、ぜひ読んでもらって、愛ちゃんと猫太くんを好きになってもらえたらなと思いますので、今後もよろしくお願いします!
取材後記
『りぼん』卒業宣言をした種村有菜さんが、新しいステージに進み、そのスタートを切る第一歩となるのがこの『猫と私の金曜日』ということで、和やかな雰囲気の中で『猫と私の金曜日』に対する強い想いを語っていただきました。
インタビューの中に「本気」という言葉が出てきましたが、物語の展開、キャラクタ、そして背景の画像など隅々までこだわって描かれており、目を見張りました。これはもう読んで楽しむしかないっ!
(新刊JP編集部/金井元貴)
特別公開 『猫と私の金曜日』のネームとペン入れの原稿を見せてもらいました
種村有菜さんプロフィール
3月12日生まれ、A型、愛知県出身。
1996年、「2番目の恋のかたち」(『りぼんオリジナル』6月号)でデビュー。人気作家として『りぼん』で活躍。『神風怪盗ジャンヌ』や『満月をさがして』はアニメ化もされている。『りぼん』卒業宣言後、2013年2月5日発売の『マーガレット』5号(2013年2月20日号)で新連載『猫と私の金曜日』がスタートした。
- 種村有菜オフィシャルブログ「苺*いちえ」
- Twitter:@arinacchi
作品紹介:猫と私の金曜日
高校1年生の立花愛と、高校の1つ上の先輩で学内の女子からモテモテな芹沢、そして小学5年生ながら愛にアプローチをかける男の子、猫太の3人を中心に展開する直球学園ラブコメ。2月5日発売『マーガレット』5号(2013年2月5日号)より巻頭カラー53ページで新連載開始
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