日本電子出版協会は2月5日、電子出版の業界団体である「IDPF」が策定した電子書籍ファイルフォーマット「EPUB」が、ISO/IEC JTC1に提案され、国際標準番号「DTS-30135」が付与されたことを発表した。
ISO/IEC JTC1は、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同技術委員会の1つ。すでに業界標準(デファクトスタンダード)の地位を確立しつつあるEPUBだが、より世界的な公的標準(デジュールスタンダード)となることで、今後は政府機関や教育機関など標準仕様をより重視する領域での採用が進むと見込まれる。
日本電子出版協会では2009年からEPUBの普及を推進しており、2010年には総務省から電子出版環境整備事業「EPUB日本語拡張仕様策定」を共同受注。ブラウザでの縦書きやルビ、禁則などを実現させているが、国際会議の場では、公的標準化、さらに国際標準化によるメリットを理解し、国を挙げて強力な推進の姿勢をみせる韓国と比べ、日本の影響力低下が懸念されている。
2013年中には国別の投票が行われ、TS(Technical Specification)番号確定後、数年の議論を経てIS(International Standard:国際規格)となる予定。
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